滝野川体育館の道場で慣れてしまうと、飛鳥中学での稽古は少々勝手が違う。
普段より狭くなるので投げ技は子ども達の数からして、衝突の危険が伴う。そんな状態での稽古の仕方についていろいろ試行錯誤をしていたが、このところひとつの技を分解して少しずつやってみる稽古方法で、難しい技をみんなで覚えていこうという風にしている。
なのでその稽古では、みんなで動いているときには投げ技でも投げない。上級になりつつある子どもには、少々まどろっこしいかもしれない。とはいっても低学年の子どもたちは難しい動き方にそれなりに苦労をしたり、投げ出しそうになったりしているようだが、あとは回数で克服していつの間にかみんなできるようになっている、というのが目標だ。
昨日の稽古は四方投げだった。
四方投げをすると、子どもは必ず手が頭の真上に上がる。そこじゃない、としつこく手本を見せても、言葉で言っても、なかなか効果が出ない。さらにどういう訳かそのときのあごをあげて上を向いてしまう子どもが低学年には多い。
上げる、というのが印象に残りやすいのだろうか。
四方投げは子どもには難しい。
だがどの技でも、どうやるのか分からな〜いと言っている子どもに補助をしながら最後の形まで行ったとき、『ほらできた!』と言うと、例外なくどの子もとてもいい表情をする。
これが少年部の稽古のいいところなのだろう。
ただし、そんな体験を1回しただけで覚えてくれるほど、子どもは甘くはないが。

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