錬成大会の準備は、出場者リストを実行委員会に提出する事から始まる。
滝野川ではメンバ−を出場希望者を募って決めた。出場資格として指示のあった黄色帯以上で、手が挙がったのは9名。
演武は2人一組なので、半端を承知で9名で出すわけには行かない。かといって希望者を募ったので、いまさら1人減らしにくい。だが演武が出来そうな黄色帯以上が居ない。そこで黄色帯以上というお達しだったが、内容的には十分に出来そうな白帯の男子を入れて10名で届けを出した。
ところが、白帯は却下。
しかも9名でもかまわないと言う。
現実問題として黄色帯以上ならできるとは限らないので、黄色帯であること自体は絶対条件にはなりえないと思うが、それが決まりだ、という事なのだろう。交渉の下手な私はそれ以上押せず、仕方なく9名で届けを出した。
2〜3日考えたが、他の道場で奇数で出してくるところがあるであろうことを期待して、はじめから奇数で出すのはやはりおかしい。
性格的になのか、とても気持ちが悪い。
奇数になったときの対処がちゃんとされているのかどうかも不明だし、対処があったとしても、相手は大人になるだろう。子どもの大会なので、子ども同士で演武をさせたい。
実のところ、いくら人数を合わせて準備をしていても,当日になって体調が悪いなどで欠席者が出ることはありうるし、その時は代役の大人にお願いするしか方法はないが、それはあくまで最後の手段だろう。
そう考えた結果、却下された1名を入れることにした。却下されたままなので記念品も出ないし錬成証ももらえないだろうが、それは私が何とかするつもりだった。
つまり、ル−ル違反だし、しかも確信犯だ。
それについては、反省!
そんな事情なので、その子にも合同稽古の1回目から参加させた。
この10人目の子には、はじめ出るように話をして、その後却下された時、『ごめん、今回はダメだった』
とあきらめさせているので、またダメは、もうありえない。
二度もがっかりさせる訳には行かない。
だが合同練習をみていると、予想通りちゃんと動けている。
実行委員から奇数人数になった時の対処について連絡をもらったのは、2回目の合同練習が終ってからだった。あちらにはあちらの事情もお有りだろうが、出来るだけ子ども同士でと考えているこちらから見るといかにも遅い。ここからでは道場内で対策する事は出来ないのだ。
合同練習が始まって、実行委員長から演武の時の並び方の図を頂いてみると、他の道場で奇数人数で出ているところがあって(正直、そういうところがあるのかと驚いたが)、全体としては偶数になっていた。つまり滝野川内を偶数にしてしまうと、全体では一人余る事になる。
う〜ん、と思ったが、いまさら考える余地はない。実行委員会で対処するということでもあるし、それを承知で出しているところは何とかなるのだろう。
つづく

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