今日は本の紹介と兼ねて先月部局調整費の公文書を閲覧してきた一部(広報課分)を紹介する。
最近は週に3、4冊の本を読んでいるが、先々月出版されるや読んだのが「世界遺産にされて富士山は泣いている」というショッキングなタイトルの本である。
登山家である野口健氏が著しており、肝心の内容も直言的で面白い。
票集めの人気取りや観光客目当ての経済効果など私欲渦巻く喧噪の中にあって、私欲なく現状を憂うる著者の気持ちがよく出ている一冊だ。
その中に出てくるのが「電通」という広告代理店と富士山世界文化遺産の関係である。
富士山頂の鳥居と電通の関係などの話題に触れつつ、著者は
「富士山を文化遺産として世界遺産に使用という直送は、電通から出てきたものではないかという噂を聞く。大企業に対する嫉妬、または偏見も含まれているかもしれないが、いずれにせよ日本中にある世界遺産でこれほど広告代理店が絡んだケースはいままでなかった、と自治体関係者は口を揃える。」と登録に絡んだ異様な加熱ぶりを指摘するのである。
さて、静岡県とその電通の関係はどうであろう。
県がホームページ上で公開している監査調書(事務事業実績)を見ても表には出てこない。
では、無関係かというとそれは誤りである。
表に出てこないのは、県が電通と契約する際の科目が、一般的な委託費(これは監査調書で委託先から金額、内容まで記載し公開しなければならない)ではなく、役務費(契約先など公開の義務なし)という単なる手数料類似の取り扱いとしているからなのである。