「もうそろそろ生まれても良さそうなんだけど・・・。」
抱卵ミナミヌマエビを見つけてから、1ヶ月は経っていた。
まだ時期的には寒い日も多かったので、長くなることは予想していた。
しかしこの頃暖かくなり、卵の色も透明がかって来て、まだかなぁ・・・、とだんだんじれてきていたのである。
そのうちミナミ母さんは、ウィローモスの下でじっとして動かないことが多くなった。
どうした・・・?悪い兆候なのか、それともこれが生まれる前兆なのか。
姿が見えないことも多い。
何かが起こる、そんな予感がしていた。
久しぶりに見た母さんは、お腹が透明になっていた。
ん??これは、卵が透明になったのか?それとももしかしてこれ、抱卵前の状態だったか??
動くので良く見えない。
卵と言われれば卵な気もするし、腹や足と言われればそんな気がする。
もしかして、生まれた

でも稚エビらしきものは全く見えない。
水槽を凝視する日が、2,3日続いた。
結論。
・もう卵は抱いていない。
・脱皮した(つまり脱卵)か、
・生まれて食べられてしまったか、
・生まれても小さくてまだ見えないか。
まるで変化がないので、もう考えるのも探すのもやめた。
ミナミは何度でも続けて抱卵するらしいので、次のチャンスを待つことにする。
しかし今回が失敗なら、次回も失敗するのではなかろうか・・・・・。
水槽を見ていた。
午前中は結構みんな活動的である。
最近気づいたのだが、どうもみんな餓えているようだ。
エサを少なくというのにこだわり過ぎたか。
パラパラとエサを入れると、狂ったようにみんな食らいついて行く。
あぁこんなんじゃ、稚エビなんかあっという間に食いつくされちゃうかもね。
その時。
えっ・・・

フワ〜ッとゴミのようなものが水槽の壁に張り付いた。
良く見るとそれは、
超極小エビであった。
いた

これが赤ちゃんか

こりゃー見つからんわ

サイズこそ2ミリぐらいはありそうだが、とにかく細い

そのうえ半透明なので、物凄く見つけづらいものだ。
しかし目をこらすと、確かにエビだ。
あの二股に分かれた尻尾。いっちょ前にツマツマしている。
これにて分かったことがある。
先日見つけた不思議な生き物は、やはり稚エビではなかったということだ。
形も動きも全然違う。もうちょっと大きくなったらああなるのかもしれないが。
そういえばこの生物も、いつの間にか見なくなった。
どうやらミナミの孵化は成功していたらしい。
ただ、生き残れるのはどれぐらいか。
隠れ家にウィローモスをたくさん買ったが、ヤマトのお気に入りになっちゃったんだよね・・・。

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