アメリカの結婚事情。
映画やテレビドラマの他、数回こちらの結婚式に友人として参加しただけの断片的な知識しかないまま臨み、結婚式から2度めの週末になる今、やっと寝ても寝ても寝足りない症状がなくなりました。生まれて初めて「忙しくて痩せる」という経験も!なにしろ食べてる時間がないので何度か食事を飛ばしているうちに胃が小さくなったんですね。びっくりでした。「新婦の母経験者」から「どうぉ〜?疲れたでしょう〜。そろそろ生き返った?」と言われて、やっとどれだけ疲れていたか気づいた、という感じ。
恐るべし、娘の結婚式。しかし、花嫁の類まれなる気合と努力、我々みんなの労力のおかげで、この国で3ビリオン市場と言われる結婚産業の中、費用を大幅に抑えることができました。
だってね、本来の費用の積み重ねっぷりったらすごいんですよ。たとえばパーティ会場の椅子一つ一つに飾りのリボンを1本結ぶごとに一つ1ドルとか。このリボンに関しては、かつてその式場でバイトしていた「け」君から「あんな、バイトの迷惑になることだけは絶対にしたくない」と強硬な反対もあったりしてあっさりボツになりましたが、一事が万事この調子。まあ日本も結婚式は同じなんだろうな。「縁起物」とか「一生に一度」というキーワードは恐ろしい。おまけにこちらではなぜか「女の子のずっと抱いてきた夢」というわけのわからん枕詞まで付くし。
今回は、自称アート系じゃないクリエイティブ系花嫁のこだわりのお陰で、会場の飾りも、アイル・ランナーも、ブーケやブートニア、フラワーアレンジメントまでも新婦の手作り。ウェディング・ドレスは母(わたくし)のお下がり四半世紀モノの袖をカットして新しく飾りを付け、上に1層内側に1層チュールを増やし、ヘッドピースを新郎母から借りて3層のチュールでヴェールを手作り。更に、カップルが用意するフラワー・ガールのドレスは
布一枚から手作り ←本人から訂正あり。結局作るつもりだったドレスそのものをネットで発見し、購入して飾り付けを足したそうです。ブライズメイドやメイド・オブ・アーナーのドレスはシンプルなのをネットで購入してもらい、花飾りやビーズを散らす。更に会場のDJは友人がやってくれ、音楽も自分たちで選定、音響はオットの友人からものすごいセットを(オットが)はるばる他州まで借りに行き返しに行き……新郎祖母は挙式5日前からフルタイムでクッキー作り。なんとその数2000枚超。一体何種類あったんだろう。そしてはるばる10時間も運転して来てくれるんだからすごいパワーです。これなら京都旅行も大丈夫…か!?
ここで結婚式に伴う一連の行事の大まかな流れの復習
1. 婚約
たとえ本人たちに「結婚する」という同意ができていたとしても、「プロポーズ」というのはどうしてもなくてはならないモノらしいですね。ドラマFRIENDS見てると、いやというほど出てくるプロポーズ、そういうことだったのか、と納得が行きました。
2.結婚式(セレモニー)をする日時、場所、披露宴(レセプション)をする場所を決める
この段階で、大小さまざまな結婚業者に登録すると、次々とフェアやら試食会やらのお知らせが届きます。ネットの
knot.comなんかでもガンガン情報集めをしなければなりません。プランナーを雇うのか自分たちでするのか、どこまでするのか、無限の組み合わせがあります。
3.ブライダルパーティの選出
日本語訳だと花嫁・花婿付添人みたいになるメイド・オブ・アーナーとブライズメイド、ベストマンとグルームズマンを選びます。姉妹、兄弟や親友たちがこのグループに入り、何かと新郎新婦をサポートするお役目。式の時は一緒に祭壇に立ち、披露宴の時は新郎新婦と並び特別な席
いわゆる高砂…?(違)に付きます。通常、彼らの費用負担も大変なことになるらしい。特にメイド・オブ・アーナーはブーちゃんに言わせると「幹事」あるいは「雑用係」
ひどい〜というくらいお仕事がたくさん。 地球の裏側で過労死しそうになってる妹にはとても頼めず、
5年前の例のプロムでも一緒だった親友のLちゃんに頼むことになりました。ケーキの選定を始め、ずいぶん働いてもらった様子。ブライズメイドは妹のフーと、もう一人の、こちらは小学校からの親友Vちゃん。6年生で出会った時から「ドクターになりたい」と言っていた、飛び級で2つ年下の彼女は言葉通りこの結婚式の一週間前、22歳にして正式な内科のドクターになりました。ベストマンもこのブログに登場済み、グルームズマンたちは私はあまり知らなかったけれど、ブーにも気心の知れた、「け」君の親友たちでした。そしてフラワー・ガールとリングベアラー。知人のお子さんたちがやってくれることになりました。どちらもお母さんのお腹の中にいる時から知っている子たち。感慨ひとしおです。
スリルもひとしお
4.準備
モノ作りやそのための材料の手配、テーマカラーの決定、招待客の選定、招待状作り、新婚旅行の計画、花屋やフォトグラファーとの打ち合わせ、教会や式場との打ち合わせ招待客のホテルの手配、遠隔地から来る招待客への観光案内の手配(そんなことまで〜!?)、席次表作り、料理の選定、音楽(式での生演奏+披露宴でのDJとの打ち合わせ)の選定、
ウェディングレジストリーの選定などなど
5.結婚許可証(免許証)を取る
実際に結婚する前に、役所に行ってマリッジ・ライセンスを取ります。これで例えば「重婚していないかどうか」などを調べるらしい。。。それを持って、
オフィシエントさんに結婚式を執り行ってもらう。彼らの場合、この「マリッジライセンスを取る」ひとつ取っても片道400km…
6.バチェラー、バチェラレットパーティ
独身最後のどんちゃん騒ぎ…とされますが、品行方正なわが子たちのこと(?)それぞれ楽しく食事したりゲームしたり、男の子たちはみんなで新郎を拉致してどこかの別荘で焚き火をしたとかしないとか…この頃には遠方からのブライダルパーティたちも、フーもウーも到着。空港へバス停へと迎えに行くのも忙しい。我が家は普段2人暮らしのところ8人に増幅。合宿状態で楽しく忙しく狂乱のとき。もう食事の用意もしたようなしないような誰がどこで何を食べてるのかもわからないような…
7.準備追い込み
新婦は花の加工に集中。あじさいとかすみ草、グリーンを切っては付け、巻き、整えて6個のコサージュ、5個のブートニア、4つのブーケと数々のアレンジメントを作り上げ、丁寧にコンテイナーに入れて冷蔵庫へ。その後、当日のクルマ割りから、ひとりひとりのタイムテーブル、仕事の割付までPCで作成。抜かりがない。ストレスもマックス!友人たちは各種案内板やゲストのテーブル番号カード、ゲストブックの準備など。私はひたすらアイシング・クッキーを作っていましたが、娘の友人たちの参加で異様に盛り上がり、ブライダルなのにトトロは入るわ、ミニョンは入るわ…ま、いっか。このノリは何かに似ている、あ、文化祭?と思ったら、某政府系機関で働いているフーが「私の仕事って毎日こんなふうなの」と。倒れるわけですな。
7.リハーサル、リハーサル・ディナー(前日)
ブライダルパーティ、近親者が参加して式のリハーサル。いやね、リハーサルっていうくらいだから、当日と同じようにやらせてもらえるのかなーってちょっと期待したんですよ。ウーのチェロも私のピアノも。でも実際にはまあ「ここでこう、それからこう、私(牧師)がこう言ったらみんなはこうする、こう言ったらそうする…」と流すだけでした。ピアノ、触らせてほしかったのに。。。リハーサルは、フラワーガールのボイコット事件以外は滞り無く進みました。教会も牧師さんも「け」君のえーと、かかりつけじゃなくて、菩提寺じゃなくて…えっと(汗)なんかそんなものなのでよく知ってるみたいです。その後、みんなでリハーサル・ディナーへ。これが簡単に考えていたけれど、かなり正式な改まった場で、新郎新婦からブライダルパーティへのプレゼントとか、新郎新婦を交えたゲームとか、すごーいケーキとか。もう私の常識の範囲では「これが結婚式でいいんじゃない?」規模でした。あ、「ディナー」というから夕食だと思い込んでいたのも間違いで、ディナーとは「正式な食事」を指すこともあり、今回は昼食ディナーでした。
ギブ・アウェイ←まちがい フェイバーの品完成
(結婚式におけるギブ・アウェイとは、新婦をエスコートしてきた男性が新婦を新郎に引き渡す行為のことだそうです。参加者にお渡しする小さなギフトがフェイバー。今回は折り鶴箱に入れたミントです) ブライダル・パーティの働きで招待客全員のネームカードが美しくできました。

結婚式前日の新婦の家にはドレスがいくつもぶら下がり、花やら何やらで足の踏み場もなし

子どもたちへのプレゼント(衣装)に添えて

リハーサル。 きれいに背の順に並んだ

ドレスを進呈するも「青なんてキライ。ぜったい着ない!アイルも歩かないからっ!」と駄々をこねられる…^^;この一連の事件はとっても面白かったのでした。

みんなで手分けして各種案内板を作っているところ。

何してるんだろ
エンゲージメントパーティの使い回し造花は、今回教会の外を飾り、すでに次の使い手に引き取られていきました。

みんな、本当によく働いてくれたなあ。

いよいよ当日を迎えます

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