「『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』☆☆☆☆☆」
数学・統計学
『本当にわかりやすいすごく大切なことが書いてあるごく初歩の統計の本』
吉田 寿夫(著)
1998年
北大路書房
☆☆☆☆☆
本書は統計学の入門書ですが、他の統計書になら載っているような数学的証明を大胆に省き、かわりに統計学の基本的な「考え方」を重点的に丁寧に解説しています。練習問題も豊富で、様々な例題が登場しますので、これ一冊で統計学の基本的な考えた方はずいぶん身につくのではないでしょうか。
数字に弱い文系読者で、統計学の初歩以前でつまづいてしまった…という方に特にオススメします。あるいは、そうなる可能性のある人に、初めて読む統計学の入門書としてオススメします。統計学初学者にとって重要なのは、数学的厳密さではなく、考え方だと思うからです。
統計学初歩以前と書きましたが、だからといって、統計学をある程度知っている人にとって必要ない本かというとそうでもありません。統計ソフトでt検定のやり方は知っているけれど「その意味」はよくわからない・・・・・・という方、「カイ二乗検定ってどういう考えにもとづいているんだろう?」と疑問に思ったけれど数式の並んだ教科書を眺めてもさっぱり、という方、そういう人にも充分オススメできます。
ただし、やっぱり本書だけではものたりません。同じ著書らによる『心理学のためのデータ解析テクニカルブック』(森敏昭・吉田寿夫(編著) 1990年 北大路書房)と2冊一緒に(あるいは続けて)買うのが良いと思います。
本文270ページ程度(他に、引用文献、索引、数表、練習問題の解答として45ページ程度)。

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