『はじめてのExcelVBA』
植田 政美(著)
チーム・エムツー(編著)
2002年
秀和システム
☆☆☆
初めての人向けのExcelVBA入門。Excel2000/2002に対応。OSはWindows 2000/XP辺りが想定されている。
VBAとは、Visual Basic for Applicationsの略で、Microsoft Office製品上で動作する一種のマクロ言語。基礎的な部分は、.NET化される前の(昔の)Visual Basicと共通なのだと思う。
全16章構成。各章の分量は平均16ページとかなり控えめ。前半では、マクロの記録・実行、VBAによるオブジェクト(ブック、シート、セル、等々)の操作について軽く取り上げていく。後半は、よくある「プログラミング入門」的な内容(変数・定数、条件分岐・繰り返し、関数・プロシージャ、ユーザーフォーム、デバッグ、等々)。各ページ下部の細長い「はみだしコラム」(1〜3行)に記載されたTipsが意外といい。
本書は、初めてExcelVBAというものに触れる初心者向けの入門書。文字より図表の方が多いくらいで、実際に操作をしながらスイスイ読み進んでいける。何かを概念的に説明しようというより、とにかく図表の通りにやってみてごらん、というスタイル。
Excel(や、その一部であるExcelVBA)のような巨大なソフトウェアは全貌を掴むだけでも一苦労なので、最初はこういうアプローチが有効なのかもしれない。この本は、ExcelVBAというものがどんなもので何ができるのかを、概念的というよりは(実際に行わせることによって)体験的に伝えるものなのだ。
本書では、VBAプログラムの記述の仕方、基本的な言語仕様、については書かれているが、実践的な「VBAプログラミング」にまでは踏み込んでいない。これはMicrosoft Wordの解説書が「他者に伝わる文章の書き方」について教えてくれないのと同じことだ。文章力をつけるというのと同じ意味で、VBAプログラミング力を身につけるためには、本書でExcelVBAの概要を簡単に掴んだ後、他の本を読んだりインターネット上の情報を参考にしたりして修行する必要があるだろう。
本文約260ページ(他に、ショートカットキー一覧、索引として10ページ)。

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