『1万円ではじめるFX講座 改訂版』
日経BP企画 (編著)
サイバーエージェントFX (監修)
2007年
日経BP出版センター
☆☆
『1万円ではじめるFX講座』(日経BP企画(編著) 2006年 日経BP出版センター)に加筆・修正した改訂版。2008年初頭に買ったまま読んでいなかった本。
全くの初心者を対象に、FX(外国為替証拠金取引)について易しく教えてくれる入門書。監修に名を連ねる「サイバーエージェントFX」による「
外貨ex」を具体例として挙げて取引手数料・スワップポイント・レバレッジ等の説明を行ったり、実際のパソコン画面等を見せて操作方法を解説している点が本書の最大の特徴だろう。「外貨ex」を用いたFX解説であるとも言える。
FXの概要、「外貨ex」のパソコン画面と取引の仕組み、主要通貨についての解説、チャートの見方、投資スタイル(デイトレード派・自動売買派・スワップポイント重視派)、その他の注意点、といった内容。
20代と思しき若い女性がネコと一緒に寝転がってノートパソコンに向かっている表紙イラストを見れば一目瞭然だが、FXの良いところばかりを強調した本。外貨預金と比較し手数料の安いことが最も強調されている(その他、24時間取引できること、円高時にも利益を出せることもFXの特長として挙げられている)。解説に出てくる取引例も利益が出た例ばかりで、大損した話が一度も出てこないのには驚いた。当然、大損しないための注意点などは全く述べられていない。そもそもFXのキモである「レバレッジ」についてすら、ズブの素人が誤解しないよう充分に解説されているようには思えないのだが…。
サブプライムローン問題で大揺れに揺れた2007年8月にこの改訂版が出版されており、本書の中ではその後の世界同時不況については当然全く触れられていない。2008年初頭以降、米ドルの金利は急激に下げられたため、スワップポイントの金額等、適宜読み替える必要があるだろう。
解説そのものはかなりわかりやすいと思う。「外貨ex」の雰囲気もよくわかるので、口座を開設する前に紙面で見てみたい、という人にはいいだろう。
本文100ページ程度。

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