2009年にレビューを書いた42冊の本・漫画(2009年に出版された本でもなく、読んだ本でもなく)の中での、My Best Books of the Year 2009。
※ 2008年のマイベストは
こちら。
『
Javaデザインパターン徹底攻略』
日立ソフトウェアエンジニアリング(株)インターネットビジネス部(著)
2002年
技術評論社
☆☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
まずは「オブジェクト指向」から…。GoFデザインパターン解説書の体裁をとった「オブジェクト指向設計」入門。コンパクトにまとめられた良書だと思う。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
オブジェクト嗜好度向上計画』
井上 樹(著)
2003年
翔泳社
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
タイトルから受ける印象よりもずっと真面目な本。「オブジェクト指向」を切り口に幅広い内容を扱っている。全体的に「オブジェクト指向再入門」的な雰囲気がある。
『
Javaのからくり――オブジェクト指向入門――』
植田 龍男(著)
1999年
IDGジャパン
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
続いてJava本を…。Javaのオブジェクト指向の考え方や仕組みについて概念的に解説した本。10年前の本だが、Javaの基本的な考え方についての解説は今でも充分通用するのではないかと思う。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
JBuilderで学ぶJava言語』
古川 正寿(著)
2002年
ソフトバンク パブリッシング
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
複数の重要項目を組み合わせて解説することで、比較的少ない紙数で、オブジェクト指向プログラミングの仕組みが素人にとっても役に立つものであることを上手に解説していると思う。現在であれば、Eclipseなんかを使いたいところ。
『
JIS規格対応 標準C#入門 改訂第2版』
矢沢 久雄(著)
2008年
ソフトバンククリエイティブ
☆☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
教科書的に項目が整理されている本。必要な解説が過不足なく記されていて、ワンポイント的に付加されている注意点の押さえどころも良い。ただし、あくまで「言語としてのC#」入門と考えるべき。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
ifとelseの思考術――プログラマ脳育成講座――』
矢沢 久雄(著)
2009年
ソフトバンク クリエイティブ
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
ありがちなプログラミング入門とはやや位置づけが異なる。プログラミング入門書から何を学ぶべきかについて、いろいろヒントを与えてくれる。「プログラミングの教え方」についても示唆するものがある。
『
基礎Visual Basic 2008』
羽山 博(著)
2008年
インプレスジャパン
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
初学者向けに言葉を尽くして解説している良書。大雑把に読み飛ばすのではなく、一字一句をジックリ読んで、著者の思考の流れまで追体験するように読むべき本だと思う。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
学生のための詳解Visual Basic』
山本 昌弘・重定 如彦(著)
2009年
東京電機大学出版局
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
大学の教科書のような地味な本だが、なかなか良かった。薄い本だが、内容は濃いと思う。プログラミングの実習授業のテキストにも良いだろうと思う。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
Visual Basicでカンタン はじめて学ぶプログラミング』
佐納 康治・曽我部 雄樹(著)
2008年
秀和システム
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
プログラミングのプの字も知らないような本当の初心者を対象としたプログラミング入門。様々なパターンの間違い例が豊富に示されているのも秀逸。
『
コンピュータの基礎からはじめるアセンブラ入門』
成田 佳應(著)
1992年
新紀元社
☆☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
MS-DOS円熟期に出版された8086アセンブリ言語入門。「コンピュータの基礎からはじめる〜」のタイトル通り、CPUの動きというものが見えてくる。著者の教え方の工夫のようなものがもの凄く的を射ているのではないかと思う。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
フルスクラッチによるグラフィックスプログラミング入門』
須崎 亮太郎・荻野 友隆・内村 創(著)
2004年
秀和システム
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
「車輪の再発明」も厭わず! お堅い本だと思っていたが、読んでみると意外とオタク的なプログラミング本だった。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
独習Perl(第1版)』
武藤 健志/トップスタジオ(編著)
2000年
翔泳社
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
本当は「可もなく不可もなく」的な本だと思うが…、このシリーズならではの安定感に星4つ。
『
日本人と日本文化』
司馬 遼太郎・ドナルド キーン(著)
1972年
中央公論新社
☆☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
両者一歩も引かない真剣勝負。余りにも面白い本はそれについて語る言葉を僕自身がもたないから表現しようがない、という典型例。これは面白いよ。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
翻訳と日本の近代』
丸山 真男・加藤 周一(著)
1998年
岩波書店
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
明治政府のとった「翻訳主義」を巡る問答集。教養ある2人による、純粋に知的な関心に基づいて行われる知の交流の様子は実に面白い。
『
ことばと文化』
鈴木 孝夫(著)
1973年
岩波書店
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
古い本だが、言語に興味をもっている人なら当然読んでいてしかるべき「教養としての1冊」だろうと思う。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
日本人の知らない日本語』
蛇蔵(構成・漫画)・海野 凪子(原案)
2009年
メディアファクトリー
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
日本語学校の先生と様々な国からやって来た留学生たちの間で繰り広げられる「日本語学習バトル」! 「語学の対象」として眺めたときの日本語の面白さ。
『
韓国は一個の哲学である』
小倉 紀蔵(著)
1998年
講談社
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
NHKハングル講座でお馴染みの著者の温和なイメージを良い意味で裏切るハードな印象。著者の哲学者としての顔が見える。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『韓国人のしくみ』
小倉 紀蔵(著)
2001年
講談社
『
ゴーダ哲学堂』
業田 良家(漫画)
2007年
竹書房
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
「哲学堂」の名に恥じぬ哲学的な漫画。「人間とは何か」「人生に意味はあるか」という永遠の哲学的問題を自らに問うた著者の考えが漫画化されている。
萩原湖太郎的オススメ関連映画:
『
空気人形』
是枝 裕和 (監督)
2009年制作
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
美しさと醜さで満ちたこの世界を生きていくことの喜びと悲しみを描いたファンタジック・ヒューマンドラマ。
萩原湖太郎的オススメ関連書籍:
『
ソラニン』
浅野 いにお(漫画)
2005〜2006年
小学館
☆☆☆☆
萩原湖太郎的一言コメント:
非常に緻密に構成された漫画。2000年代の若者の感じている閉塞感をリアルに描写することに成功しているのだと思う。

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