『超入門!! 外為投資道場』
サンプラザ中野・竹内 淳(著)
2004年
徳間書店
☆☆☆
2000年代前半、FX(外国為替保証金取引)黎明期に刊行されたFX入門書。当時盛り上がり始めていたFXについて、株式投資経験者を対象に平易に紹介する内容。
個人向けFXサービスの創世記からこの業界に関わってきた竹内氏を講師役、株式投資5年目のサンプラザ中野を生徒役として行われる対談授業。6回の授業が行われ、「そもそも外国為替って何?」といったところから、FXの概要・仕組み、取引の仕方、リスクとコスト、税制、主な経済指標…、といった内容。
FXでの儲け方指南というより、FXそのものを紹介している本。「FXで誰でも月○万円のお小遣い!」というような雰囲気とはちょっと違う。意外と「勉強して理解してから、取引を始めましょう」と良心的。
2000年代後半以降に刊行されたFX入門書よりも、悪徳業者(のインチキの手口)についてシッカリ記載されている(これは、当時そういった業者が多数存在していたことを反映しているのだろう)。最近の本では、今更「2 way priceのレート表示の必要なワケ」などについてそれなりの紙数を割いているような本はあまりないので、これはこれでかえって勉強になったように思う(サブプライムショック、リーマンショック時に悪徳業者はかなり淘汰されたのだと思う。また、FX業界そのものがよりクリーンな業界になってきたのだろう)。
ただ…、正直言って、現在、わざわざ探してまで読む本でもない(「FX黎明期のFX入門書」という資料的価値はあるかもしれないが…)。チャートの見方やテクニカル分析について全く触れていないのも興味深かった。
本文205ページ程度(「外為どっとコム」の個人向けFXサービス「外貨ネクスト」のWEB取引画面について説明している「補講」(10ページ程度)を含む)。

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