『4スタンス理論−タイプに合った動きで最大限の力が出せる−』
廣戸 聡一(監修)
レッシュ・プロジェクト(編)
2014年
実業之日本社
☆☆☆
「じっぴコンパクト新書」の「199」。サブタイトルは「タイプに合った動きで最大限の力が出せる」。表紙には「創案者が語る稀代の身体理論・誕生秘話」とも。
「人間の身体(体幹)の動かし方には4つのタイプがあり、タイプごとの特性に適った動作を意識するとパフォーマンスも良く、怪我の予防にもつながる」(これは著者ではなく、僕のまとめ)という「4スタンス理論」なる身体・運動理論(?)がある。本書は、この「4スタンス理論」を概ね理解している読者に対して、提唱者自身がどのような体験や思考を経てこの理論の構築に至ったのかについて対談形式で語ったもの。
全5章構成。「4スタンス理論」誕生の経緯(約60ページ)、スタンスタイプごとの動作の違い(約45ページ)、野球・サッカー・ゴルフのスタンスタイプ別ワンポイントアドバイス(約25ページ)、子供の身体・運動能力の発達(約15ページ)、30代以降の身体・運動能力の維持(約15ページ)、スタンスタイプ判定テスト(約10ページ)、といった内容。「4スタンス理論」の内容をある程度知っている人を聞き手とする対談形式。
私自身は「4スタンス理論」についてはその名称くらいしか知らずに本書を手に取った。理論の概要について知った後で副読本的に読んだ方がわかりやすい本かもしれない。ただ、提唱者自身が、どのような考えを経て、この理論の根底にある発想に辿り着いたのかについて語っているのは面白い。そこに著者の(人間の身体の動きについての)考え方がよく出ており、事前知識はほとんどなかったがそれなりに面白く読んだ。本書には楽器演奏の際の身体動作についての話は一切出てこないが、著者の理論が正しいならば、当然スタンスタイプごとに適したフォームは異なっているハズ。ギターやピアノの演奏時の姿勢や両手のフォームにシステマチックな違いが顕れていたら実に面白いではないか!
「4スタンス理論」に関しては、同じ著者による『4スタンス理論バイブル』(廣戸聡一(著) 2014年 実業之日本社)が最も網羅的で詳しく述べられているようだ。是非読んだみたいと思う。
本文190ページ程度。

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