2004/5/27  11:00

パッション  映画感想 〜2007年

私はこの映画に関してはかなり特殊な観客だと思うので、何を言ってもあまり気にしないでほしいのだが…

なつかしの日曜学校+スペイン・バロック宗教美術(たとえばこれとかこれとか)の世界でした。

マイナスポイント:あのポール・ベタニー似の悪魔(?)とか、子供の幻想とかは余計な感じがした。ところどころ、ちょっとセンチメンタルに流れるのが惜しい。これを忠実にリアルに映画化するなら、いっそもっとミもフタもないほどそのまんまに描いた方が、かえって強烈に訴えるものがあったような気がしたのだけど。メル・ギブソンの信心深さがそれを許さなかったのでしょうか。

プラスポイント:でもこれを、(おそらく、スタッフ・キャストの属する国や時代の色をできるかぎり廃するために)当時彼らが話していた言葉(アラム語)で映画化しようっていう、その志にはものすごいものがあると思う。原作(新約聖書)さえ、アラム語では書かれていないというのに。(ギリシア語。カトリックの正典はそれをさらにラテン語に訳したもの。)

「今更、聖書の忠実な映画化なんて」という人は多いようだけど、映画の歴史の中、新約聖書のまともな映画化というのは非常に少ない。こういうストレートなアプローチの映画化は、まったく初めてじゃないのかな。細かい文句はさておいて、その点だけでも非常に価値のある映画だと思う。

何よりよかったのは、ジム・カヴィーゼルのイエスだ。今までのイエスを主人公にした映画(※)、「最後の誘惑」、「偉大な生涯の物語」、「キング・オブ・キングス」、「奇跡の丘」などと比べて、一番よかったと思う。特に回想シーン(死にかけてないところ)が魅力的でした。

これは題名どおり「キリスト受難」の映画だから、無いものねだりなのですが、受難以外のところを彼で見たかったな。

ちょっと悪趣味な蛇足:歴史的&解剖学的には、釘は掌でなく手首に打つのが正しいそうです。あれでは両側の人は脚を折っても死にません。

かなりくだらない蛇足:ヘロデ王のシーンで、今にもホンキー・トンクで踊り出してくれそうな気がしていた私って…(いえ、他のキャラについては「ジーザス・クライスト・スーパースター」と比較したりしてませんでしたよ全然。ほんとです。)


※一時凝っていて、片っ端からレンタルしたのでした。

「最後の誘惑」:ウィレム・デフォー。個人的に、これ大嫌い。あんなに弱気でウジウジした男が、権力者に脅威を与えるほどのカリスマになれるわけがない。
「偉大な生涯の物語」:マックス・フォン・シドー。良いけど、ちょっと威厳ありすぎて校長先生って感じ。
「キング・オブ・キングス」:ジェフリー・ハンター。これ最低。どっかのバンドの兄ちゃんみたい。
「奇跡の丘」:うーん、よくおぼえてない…ごめん。

ちなみに、私が今までで一番良いと思っていたのは「ベン・ハー」の後姿だけの人でした。(「ジーザス・クライスト・スーパースター」は、ちょっと別物なので除く。)



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