2008/2/21  22:00

ペルセポリス ☆☆☆☆☆  映画感想 2008年〜

ようやく観てきました。

こんなにいい映画が2ヶ月も前からちゃんと公開されていたのに、行きにくい場所だとか行きにくい上映時間だとか言って観に行かないで、なかなか公開されない映画のことで文句言ってばかりいてはいけないな、とちょっと反省。(それはそれとして、その文句はまだまだ言うけどね。)

たとえば、自由にものを言えない社会で、我慢に我慢を重ねつつ長い長い年月を過ごしてきた人が…「よし、それじゃあ死ぬ前に1本だけ映画を作って、1時間半でお前の一生分の言いたいことを全部言うがよろしい。(ただし面白くなけりゃすぐゴミ箱に捨てるからね)」と言われたとしたら…どういう映画を作るか。

そういう「本気」が漲っている映画でした。

こういうのを観ると、しばらく他の映画が色あせて思えたりするのだけど…まあその代わり、こういう映画はひとりの映画作家につき一生に一本しか作れないのよね。

それほど全力投球な映画でありながら、重くて暗いかというと、そうでもない。いや、描かれている話はかなり重いし、時に暗いのだけど…そこは、アニメーションであること、その絵柄のセンスが抜群にいいことが生きている。

思春期を迎えた主人公の、身体の成長と性の目覚め、それを1分であますところなく見せてしまうなんて、アニメーションじゃなきゃできない芸当だ。どん底に落ち込んだ主人公が立ち直るところの「Eye of the Tiger」にのせた表現なんて、実写はもちろん漫画でもできない、アニメならでは。

(個人的には、この映画がアカデミー賞を獲ってほしいと思う。ピクサーの3Dアニメは私も大好きだけど、そっち方面はもう十分評価されている気がするので。)

アニメーションの普遍的な絵柄のせいか、全然違う国の話でありながら、ちょっとシンドイぐらい感情移入してしまいました。励まされたとか、元気が出たとか言いたいところだけど…そういうのとはちょっと違う。「背筋が伸びる」というのが近い。

主人公がもっと強くて立派な女性ならば、「私にはとてもとても…」とか言って逃げることもできるんだけど、マルジは弱いところ、だらしないところ、ずるいところも大いにある女なので…私も一緒にばーちゃんに叱り飛ばされた気分になるのだ。

いつでも、自分に対して公明正大に。

たとえばの話、こんなつまらないブログのエントリーでも、ただの映画の感想でも、「とりあえずこう言っておけば無難だろう」というのじゃなくて、心の底から本気で言いたいことを書かないといけないな…と、そんなことを思ったのでした。



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