2011/8/12 21:39
【いまさら感想】塔の上のラプンツェル ☆☆☆☆ 映画感想 2008年〜
夏休みの宿題、第二弾。
これも4月に見たのですが、いまさら感想。
実は私、「ラプンツェル」って、子供の頃に絵本で読んだだけで、とんでもなく長い髪の姫が塔の上から髪を下ろして、それを王子様が登ってきて...みたいなイメージがなんとなくあっただけなのですが、ディズニーがアニメ化すると聞いて元の話を調べてみたら↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%AB
こんな話だったんかい!
こりゃ、昔のディズニーがアニメ化しようとしなかったはずだわ...
しかし、まあ、眠っているところをいきなりキスされてそのまま結婚、という「白雪姫」や「眠れる森の美女」(ディズニー版では、魔女に眠らされる前に森で王子に出会ってすでに相思相愛、と改変されている)に比べたら、自ら髪を下ろして男を登らせてるのだから明らかに姫本人の意志と言えるし、「相思相愛」なのだからいいのかなあ、とは思ったり...
でももちろん、この21世紀にこれをそのまま映画化するわけにゆかないのは当然で、「魔女に塔に閉じ込められる」「非現実的なまでに長い髪」というモチーフ以外は、まるっきり違う話になってます。
ここまで違うと、この原作じゃなくてもよかったのではないかという意見も出てくるでしょうが、まあ、「長い長い金髪、それで塔を登ったり降りたり」というイメージは捨てがたいからねえ。
彼女の長い金髪は、しっかり武器にもなってるし。
そう、現代の映画らしく、ヒロインは待っているだけじゃなくて、自分の意志でどんどん行動する強い女性になっていて、それはもちろんいいのだけど...このストーリー設定では、「赤ん坊の頃からずっと塔に閉じ込められて魔女の思うとおりに育てられていたのに、ヒロインのあの強さと行動力はどこから来ているのか?」という疑問はありうると思う。
まあ、現実的ではないのだけど...ファンタジーのディズニーアニメが、あんまり現実的である必要もないし。
ディズニーは昔から、子供のためになる「正しい」教訓を含んだ話、という方針を貫いています。そしてその「正しさ」は、当然、時代と共に変わってくる。元の童話のストーリーが現代の正しさに合わない場合、改変する。それを批判する向きもあるけど、私はそれでいいと思うのですよね。元の童話だって、その時代の「正しさ」を子供に教えるために書かれたのだろうし。
で、この新しい「ラプンツェル」の教訓は、一言でいえば、「親に逆らえ」ってことでしょうか(笑)。
そんなことを考えているうちに思い出したのが、また唐突な連想だけど、「プレシャス」なんですよね。えらい違いだけど、「プレシャス」も、母親の都合のいいように、(少なくとも精神的には)閉じ込められるようにして育っていた。でも、ふと訪れた外部からの刺激によって、そこから抜け出す意志力も、知性も、どこからか湧き出してくる...
どんなに閉鎖的環境で思う通りに育てても、(「ラプンツェル」は違うけど)たとえ生物学的な親子だとしても、子供は100%親の作品じゃない、どこかの段階で自分自身が目覚めてくる、それを開放するには、保護すると称して子供を閉じ込めるような過干渉な親、愛と称して実は子供に依存している親は、きっぱり切ることも必要。
少し前なら、これが「子供に伝えたいメッセージ」だなんて信じられなかっただろうけど、いや、マジで今は、そうだと思うよ。
だから、この「ラプンツェル」のストーリーは、これでいいんだと思います。
あと、もうひとつ蛇足。
この映画を見たのは今年の4月で、ちょうど、震災の影響で夏の花火大会が中止とか延期とかいう話がたくさん出ていました。
私はそれを聞いて、花火にせよ送り火にせよ灯篭流しにせよ、日本では夜に華やかな光を灯すのは「死者への鎮魂」という意味があるのだから、自粛なんて言ってないでむしろやればいいのになあ、と思っていました。(まあ、実際は「自粛」というより、協賛金が集まらないとか、警官が被災地に応援に行っていて警備の人員が足りないとかいう現実的な理由らしいですけど。)
ちょうど、そんなことを考えている時期に見てしまったので、この映画のランタンのシーンで、なんだか号泣してしまったのでした(笑)。あのランタンも、いなくなった王女のためだし...死んだわけじゃなくて、生きていると信じて探すためにやっているところが違うけど。
あ、それで思い出したけど、同じくディズニーの「魔法にかけられて」を見た時、たまたま前日にこのジョン・スチュワートのスピーチを初めて見たばかりで、その日はずっと9/11のことを考えていたので、最後のほうの魔女のセリフで、ニューヨークのことを「(おとぎの国と違って)悲しみに溢れている街、"Happily Ever After"など決してない街」と言ったとき、なんだか知らないけどぶわーっと泣いてしまったのでした。
映画の内容に直接関係ないことで泣くのはやめよう...(汗)
これも4月に見たのですが、いまさら感想。
実は私、「ラプンツェル」って、子供の頃に絵本で読んだだけで、とんでもなく長い髪の姫が塔の上から髪を下ろして、それを王子様が登ってきて...みたいなイメージがなんとなくあっただけなのですが、ディズニーがアニメ化すると聞いて元の話を調べてみたら↓
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%97%E3%83%B3%E3%83%84%E3%82%A7%E3%83%AB
こんな話だったんかい!
こりゃ、昔のディズニーがアニメ化しようとしなかったはずだわ...
しかし、まあ、眠っているところをいきなりキスされてそのまま結婚、という「白雪姫」や「眠れる森の美女」(ディズニー版では、魔女に眠らされる前に森で王子に出会ってすでに相思相愛、と改変されている)に比べたら、自ら髪を下ろして男を登らせてるのだから明らかに姫本人の意志と言えるし、「相思相愛」なのだからいいのかなあ、とは思ったり...
でももちろん、この21世紀にこれをそのまま映画化するわけにゆかないのは当然で、「魔女に塔に閉じ込められる」「非現実的なまでに長い髪」というモチーフ以外は、まるっきり違う話になってます。
ここまで違うと、この原作じゃなくてもよかったのではないかという意見も出てくるでしょうが、まあ、「長い長い金髪、それで塔を登ったり降りたり」というイメージは捨てがたいからねえ。
彼女の長い金髪は、しっかり武器にもなってるし。
そう、現代の映画らしく、ヒロインは待っているだけじゃなくて、自分の意志でどんどん行動する強い女性になっていて、それはもちろんいいのだけど...このストーリー設定では、「赤ん坊の頃からずっと塔に閉じ込められて魔女の思うとおりに育てられていたのに、ヒロインのあの強さと行動力はどこから来ているのか?」という疑問はありうると思う。
まあ、現実的ではないのだけど...ファンタジーのディズニーアニメが、あんまり現実的である必要もないし。
ディズニーは昔から、子供のためになる「正しい」教訓を含んだ話、という方針を貫いています。そしてその「正しさ」は、当然、時代と共に変わってくる。元の童話のストーリーが現代の正しさに合わない場合、改変する。それを批判する向きもあるけど、私はそれでいいと思うのですよね。元の童話だって、その時代の「正しさ」を子供に教えるために書かれたのだろうし。
で、この新しい「ラプンツェル」の教訓は、一言でいえば、「親に逆らえ」ってことでしょうか(笑)。
そんなことを考えているうちに思い出したのが、また唐突な連想だけど、「プレシャス」なんですよね。えらい違いだけど、「プレシャス」も、母親の都合のいいように、(少なくとも精神的には)閉じ込められるようにして育っていた。でも、ふと訪れた外部からの刺激によって、そこから抜け出す意志力も、知性も、どこからか湧き出してくる...
どんなに閉鎖的環境で思う通りに育てても、(「ラプンツェル」は違うけど)たとえ生物学的な親子だとしても、子供は100%親の作品じゃない、どこかの段階で自分自身が目覚めてくる、それを開放するには、保護すると称して子供を閉じ込めるような過干渉な親、愛と称して実は子供に依存している親は、きっぱり切ることも必要。
少し前なら、これが「子供に伝えたいメッセージ」だなんて信じられなかっただろうけど、いや、マジで今は、そうだと思うよ。
だから、この「ラプンツェル」のストーリーは、これでいいんだと思います。
あと、もうひとつ蛇足。
この映画を見たのは今年の4月で、ちょうど、震災の影響で夏の花火大会が中止とか延期とかいう話がたくさん出ていました。
私はそれを聞いて、花火にせよ送り火にせよ灯篭流しにせよ、日本では夜に華やかな光を灯すのは「死者への鎮魂」という意味があるのだから、自粛なんて言ってないでむしろやればいいのになあ、と思っていました。(まあ、実際は「自粛」というより、協賛金が集まらないとか、警官が被災地に応援に行っていて警備の人員が足りないとかいう現実的な理由らしいですけど。)
ちょうど、そんなことを考えている時期に見てしまったので、この映画のランタンのシーンで、なんだか号泣してしまったのでした(笑)。あのランタンも、いなくなった王女のためだし...死んだわけじゃなくて、生きていると信じて探すためにやっているところが違うけど。
あ、それで思い出したけど、同じくディズニーの「魔法にかけられて」を見た時、たまたま前日にこのジョン・スチュワートのスピーチを初めて見たばかりで、その日はずっと9/11のことを考えていたので、最後のほうの魔女のセリフで、ニューヨークのことを「(おとぎの国と違って)悲しみに溢れている街、"Happily Ever After"など決してない街」と言ったとき、なんだか知らないけどぶわーっと泣いてしまったのでした。
映画の内容に直接関係ないことで泣くのはやめよう...(汗)