2004/6/14  10:56

Bend It Like Beckham  映画感想 〜2007年

「ベッカムに恋して」を観た。(先日のWOWOW放映の録画)

この邦題、とても評判が悪いようです。公開されたのはベッカム人気が最高潮の頃だし、日本語にしてぴったりくる題名は思いつかないし、しょうがないかなあ、とも思うのですが、いかにも惜しい気がする。なぜなら、この映画でおそらく一番いい部分は、"Bend it like Beckham"というこの題名だからです。

私はサッカーにあまり詳しくないのでよくわからないのですが、何でも、ベッカムというのは「止まったボールを蹴らせたら世界一」だそうですね。見事にスピンがかかって敵の間をすり抜けてゆく彼のコーナーキックは絶品らしい。「ベッカムのように曲げろ」というこの題名は、女としてマイノリティとして生きてゆく上での障害を、ベッカムのコーナーキックのようにしなやかにすりぬけてゆけ−という意味。実にいい題名です。

主人公のジェスミンダは、予想より大人っぽい娘で、ベッカムにも「恋している」というより、選手として憧れている部分の方が大きい感じ。だから本当は、「ベッカムのコーナーキックに恋して」という題名にしなければいけなかったかも(笑)。

観る前は、「ロンドンに住むサッカー好きのインド系の女の子が、『サッカーなんて女らしくない、それより料理を覚えなさい!』という家族の反対にもめげずにがんばる」という話だと思っていました。いや、それはその通りではあるのですが…お母さんはたしかにそうなんですが、お父さんの反対している理由は違っていました。

お父さんはかつて優秀なクリケット選手だったのですが、インド系であるために英国のチームを追い出されてしまったという苦い経験があります。だから、ただでさえマイノリティとして生きてゆくしかない娘は、「女子サッカー」なんていう、それ自体未だマイナーな競技で苦労するより、大学へ行って弁護士を目指した方が将来にプラスだという、まことにもっともな理由で反対しているのでした。

以下ネタばれ==>しかし、娘ががんばる姿を見ているうちに、お父さんの気持ちが変わってきます。まあ、予想のつく展開ではありますが、「クリケットチームを追い出された時、私は黙って甘んじた。それ以来、クリケットのことは忘れようと努めてきた。お前にはその過ちを繰り返してほしくない」と言って、娘をサッカー留学に送り出すところ、けっこう感動しました。ラストで(おそらく長いことやっていなかった)クリケットをプレイしているお父さんの姿が映るのが、また感慨深い。<===ネタばれここまで

「リトル・ダンサー」といい、これといい、英国のこの手の映画は「お父さんが泣かせる」というのがお約束なのかな。あ、ついお父さん中心の感想になってしまいましたが、主役は娘です(笑)。

それと、ロンドンにおけるインド系の元気さがうかがえる映画でもありました。マサラ映画みたいに踊りまくるシーンもあったし。

唯一のいちゃもんは、あの監督役の人かな。いくら膝を痛めているといえ、サッカー選手の走り方じゃない気がする。



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