またブルーノートです。なんやかんや言ってもブルーノートが一番好きなレーベルなのです(ベタですが)。
このアルバムは、天才リー・モーガンの最高傑作であると勝手に決めてます。
一般的には「Candy」とか、大ヒットした「The Sidewinder」あたりが人気盤として有名です。確かに、「Candy」はワンホーンのアルバムなので、彼のプレイを堪能するにはもってこいのフォーマットですが、タイトル通りにちょっと甘いかな...もちょっとハードに吹きまくって欲しい私にはちょっと物足りません。
「The Sidewinder」は彼の作品の中で(ブルーノート全体でも)最大のセールスを記録しているはずです。ブルーノートさんもさぞや儲かった事でしょう。しかしハードバップ好きの私にとって、このアルバムはもはや”ジャズ”のアルバムとしては聴けません。
1500番台だと、「Lee Morgan, Vol. 3」、「City Lights」あたりも捨てがたい所ですが、どうもベニー・ゴルソンの影響下で演っていると言う印象が強いので没です。
本作では、ゴルソンの呪縛から抜け出し、新しいスタイルを見つけようとしている気合いみたいなものがびんびん伝わってきます。妙にまとまったりしないで、荒削りで未完成ながらも、聴く者の心を捉えて離さない何かを持っている点も彼の魅力の一つです。
ジャッキー・マクリーンとは初共演ですが、結構、相性はいいみたいですね。
ボビー・ティモンズ、ブレイキー先生との息もぴったりです(あたりまえか)。
自分の進むべき音楽の方向性を模索しながらも、一皮向けた天才の、インプロビゼーションが十分に楽しめるという点でもこのアルバムは重要です。
A面2曲目のタイトル「The Lion and the Wolff」も、遊び心が感じられていいですね〜。
この天才は、この後また体調を崩してしまい、「The Sidewinder」のリリースまでブルーノートへの吹き込みを行っていません。非常に残念なことです。「Lee-Way」路線の作品をもっと出してほしかったのに....

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