ハンク・モブレイ...私の最も好きなテナー奏者です。
彼はコルトレーン、ロリンズのように他のテナー奏者に大きな影響を与えたり、ジャズの流れを変えたりするような超一流のプレイヤーではありません。
ソロパートを聴いても、ロリンズみたいに流れるように次々とフレースが溢れ出る訳ではなく、どちらかと言うと、引っ掛かり気味に音が出てくる感じです。でもあの、柔らかで暖かいトーンを聞くとほっとしてしまいます。どんな人だったのかはよく解りませんが、きっと人間的にも温和な方だったのかなぁと思います。
彼は、不器用な人でもあります。ハードバップの隆盛と共に脚光を浴び、その衰退と共にジャズシーンから消えていってしまいました...
自分のスタイルを頑なに守りつづけたのか、ジャズ界の変化についていけなかったのか...
いずれにしても、彼は間違いなく生粋のハードバッパーと言って良いでしょう。
このアルバムはワンホーンのフォーマットで吹き込まれているため、彼の特性が良く解る作品になっています。とにかく聴いて見てください。このアルバムが気に入らなかった人は、ジャズ(ハードバップ)を聴くのは辞めた方がいいかも...
私はLPでしか持っていませんが、あんまり聴き過ぎたため最近ノイズがひどくなってきました。CDを買わなければいけません。
盤が擦り切れるほど聴き込んでいるため、全曲が完全に頭に入っています。捨て曲はありませんが、ベストトラックを強いてあげるとすれば、やっぱりA面1曲目の「Remember」ということになりますかね。

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