今までギタリストのアルバムを紹介していませんが、実は、私はジャズギターを少々たしなみます(本当にたしなむ程度ですが...)。
そのせいか、ギタリストの参加しているアルバムを聴く時には、どうしてもギターのフレーズだけを追いかけてしまいます。
アルバムとして純粋に楽しめない部分はありますが、好きな作品もたくさnありますので、これからぼちぼち紹介していきます。
ギタリストのアルバム第1号はグラント・グリーンです。
グラント・グリーンはリーダ作の大半をブルーノートから出している(サイドメンとしても多数)、ブルーノートのハウスギタリストです。
チャーリー・クリスチャン直系のギタリストでありながら、そのプレイスタイルは、ブルージーでソウルフル、非常に黒っぽい演奏をするギタリストです。
ケニー・バレルなどもブルースを得意とするギタリストですが、グラント・グリーンのブルースプレイは、バレルのように洗練されたものではなく、ちょっと泥臭さを感じます...そこが彼の魅力なんですけどね。
フレーズにもウエス・モンゴメリーなどのような華麗なテクニックを見せつけるような部分はなく、素朴で朴訥な語り口が持ち味となっており、それがまた沁みるのです。
彼はブルーノートに20枚以上のリーダ作を残しています。多作なだけにしょ〜もないアルバムも確かに存在します。存在はしますが、それを補って余りあるすばらしい作品が何枚もありますので、これから聴こうとされてている方は、是非、出来の良いアルバムから聴いてください。
今回紹介する『Idle Moments』は、間違いなく出来の良い作品に属します。彼の最高傑作と言っても良いでしょう。
聴き所は、やっぱりタイトルテューンの「Idle Moments」でしょう。ピアノのデューク・ピアソンの作になるこの曲は、16小節の取り立てて特徴のない普通の曲です。ブルースでも何でもありません。
が、聴こえてくるギターはブルージー...憂いを含んだプレイ、泣き節に思わず引き込まれてしまいます。深い...渋い...
15分弱という長めの曲ですが、ちっとも長さを感じさせません。この曲だけで買いです。
「Idle Moments」ではまれなかったら、他のアルバムを聞いても無駄でしょう。
これぞ名演!って感じです。
サイドを固めるメンバーに、ボビー・ハッチャーソン、ジョー・ヘンダーソンといった、いわゆる新主流派と言われるメ面々が参加しています。
私は、新主流派、特にジョー・ヘンダーソンがあまり好きではありませんが、この曲の演奏だけは別!すばらしいの一言です。見事にギターをサポートしています。脱帽!
『Idle Moments』以外で気に入ってるアルバムを2枚ほど...
『Grant's First Stand』
ブルーノートにおける初リーダ作。新人ギタリストとしてのあまりドロドロしていないプレイが楽しめます。
ジャケットもいいですね〜。どこから見てもブルーノート。
『Feelin' the Spirit』
このアルバムを彼の代表作に挙げる人は多いと思います。私も大好き。
タイトル通り、黒い演奏が堪能できます。
タル・ファーロウ、バーニー・ケッセルのようなプレイが好きな人にはちょっときついギタリストかもしれませんね...

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