今回は、ファンキー・ジャズの伝導師、ホレス・シルバーです。
ファンキー・ジャズって何でしょう?専門的なことはよくわかりませんが、黒っぽさ、ブルースへの回帰をより鮮明にしたハード・バップの一派だと私は理解しています。
ジャック・マクダフ達のやっているジャズはファンキーよりもっと黒いジャズ、ソウル・ジャズとでも言いましょうか...ファンキー・ジャズとはちょっと違うものですね。
いずれにしろ、黒人好き・ブルース好きの私にとっては、聴いていて一番気持ちの良い音を聴かせてくれるので、何の文句もありません。
ビル・エバンス、キース・ジャレットらの繊細で緻密なジャズとは明らかに一線を画すものであることは間違いありません。
そんなホレス・シルバー(クインテット)ですから、お気に入りのアルバムは沢山あります。
ただ、このバンドの真価がよく解るのはライブだと思いますし、ライブ盤はこれしかありませんので、『Doin' the Thing』にしました。
まぁ、ノリノリの彼らの演奏を聴いてみてください。ジャズの楽しさが満喫できること請け合いです。
お勧めは、A面1曲目の「Filthy McNasty」。この1曲だけで、ホレス・シルバークインテットのやりたい音楽がどのようなものかが一発で解ります。
タイトル曲「Doin' the Thing」はあまり好きではありません。マイナーキーの曲があまりしっくり来ません。大好きなブルースではありますが...ロイ・ブルックスのドラムソロもちょっと...長い割には単調な印象を受けます。B面でのソロは好きですが...
あと、フロントの2人(ブルー・ミッチェル、ジュニア・クック)ですが、初期のメンバー(アート・ファーマー、ハンク・モブレイ)と比べると、あらゆる面で見劣りします。
ただ、彼らはシルバーのやりたい音楽を完全に理解しているため、バンドとしてのまとまりを考えると、非常にいい配置なのかな?と思います。シルバーさんもこれ位の人の方が使い易いでしょう。
フロントにリー・モーガン、コルトレーンなどの超一流所を据えちゃったら、バンマスの言う事を聞かなくなる恐れがありますもんね...

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