最近、こればっかり聴いてます。愛聴盤のニューフェースです。
このアルバムは、「JAZZを聴きながら 」(
http://blog.goo.ne.jp/h-babu0717/)のバブさんの記事で興味を持ち、バブさんも薦めて下さったので購入したものです。
アルバムには3種類あると思います。@1回聴いただけで好きになるアルバム、A最初は理解できないが、何度か聴くうちに良さがわかってくるアルバム、B何度聴いてもつまらないアルバム。
このアルバムは、文句なしに@です!!(ちなみにAにはモンクのアルバムなどが当てはまりそうですね。Bは...やめときます...)
買った日、帰りが遅くなったので、雰囲気だけちょっと聴こうと思い、ソファーに寝そべりながら眠気をこらえてCDをスタート...1曲目の「Harlem Blues」で完全に目が覚めました。結局、アルバム丸ごと2回も聴いてしまいました...
フィニアス・ニューボーンと言えば、『Here Is Phineas』のような、どちらかと言うとテクニックの方に注意が向いてしまうピアニストという印象がありましたが、完全にその先入観が払拭されました。
まず、アルバムを通してフィニアスが心から演奏できる喜びに浸りながら演奏しているのがビンビン伝わってきます!!凄く良い雰囲気です。
入院している間も、ピアノ弾きたくって仕方がなかったんでしょうね〜。すごく嬉しそうですもん。
天才の演奏って、チャーリー・パーカーやバド・パウエルなんかのプレイもそうですが、直線的・鋭角的、時には攻撃的な音でガンガン攻め立てられている気分になってしまい、少なくともリラックスして聴くことが出来ません(同じ天才でも、アート・テイタムは別ですけど)。
『Here Is Phineas』にもそのような傾向が多少ありました...(「ウン・ポコ・ロコ」よりは全然聴きやすいですが...)
しかし、このアルバムにはそういった緊張感を強いられる要素が全くありません。もちろん、彼のテクニックは光っています。何が違うのでしょうか?
演奏から喜びが溢れているのも原因のひとつでしょうが、『Here Is Phineas』との最大の違いは....音符の数かな?
以前は、力まかせに音を畳み掛けてくる印象だったのが、このアルバムでは結構、吟味しながら音を選んで出しているように思えます...大人になったということか...?
最近では、天才の閃きに溢れたアルバムより、へたくそでも、リラックスできるアルバムの方をついついターンテーブルに乗せてしまう私...歳でしょうか...?
ゴスペルチックな素朴なテーマの「Harlem Blues」などは、まさしく、最近の私が求めていたものでした...癒されます...
散々手垢のついたスタンダード「Stella by Starlight」、「Tenderly」なども、凄く新鮮に響きます。まさに名演!!
レイ・ブラウン、エルビン・ジョーンズのサポートも完璧!まるでレギュラーグループのよう...息もぴったり!
今まで、ピアノトリオのアルバムで一番好きだったのは、ウィントン・ケリーの『Kelly at Midnight』でしたが、この『Harlem Blues』の出現により、ピアノトリオランキングに変動がありそうです...バブさん、ありがとうございました。

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