ハービー・ハンコックの最高傑作として、『Maiden Voyage』を推す方は多いと思います。
確かに『Maiden Voyage』は、新主流派・モードなどが苦手な私が聴いても、「なるほど!」と思わせるクオリティの高いアルバムだと思います。
しかし、ひねくれ者の私は、『Maiden Voyage』の人気ぶりに対して、何故か冷遇されている(ように思われる)『Empyrean Isles』が可哀相なので、こっちを取り上げたいと思います。
『Empyrean Isles』のメンバーは、『Maiden Voyage』からジョージ・コールマンが抜けただけのクァルテット編成となっております。当時のマイルスバンドのリズム隊にハバートが参加しているという編成ですね。
演奏内容もさほど変わりませんし、何が悪いのでしょう?「Maiden Voyage」のようなインパクトのある曲がないのが最大の原因かもしれません...「One Finger Snap」、「Oliloqui Valley」なんかいい曲だと思うんですけどね...「Cantaloupe Island」も、「Watermelon Man」によく似たリズムの面白い曲だと思いますし...
この訳の分からないジャケット・デザインも、『Maiden Voyage』に大きく水をあけられた原因かもしれません...ブルーノートっぽくないですね...Prestige、Verveあたりのアルバムかと思ってしまいます。
熱いハード・バップや、コテコテ系の真っ黒けジャズが大好きな私にとって、新主流派の知的で洗練されたサウンドは、今一つ乗り切れない部分もありますが、このアルバムは比較的よく聴きます。さすがにラストの「The Egg」あたりになってくると、ついていけなくなりますが...長いし...「The Egg」というタイトルと、曲との関連もよく分からんし...
何度もターンテーブルに載せてしまう不思議なアルバムです...少なくとも『Maiden Voyage』よりは聴いてます。
くそ暑い日本の夏には、こういった涼しげなアルバムが最適かもしれませんね。
そうそう、先週HMV立川店で、このアルバムを980円位で売ってました!輸入盤でしたが、未発表テイクも2曲追加されてました。
この値段だったら、迷わず買いでしょう...

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