前回、アート・テイタムを取り上げましたので、今回は、テイタムのピアノ・スタイルの正統な継承者であるオスカー・ピーターソンにしてみます。
と言っても、あんまり書くことないんですよね...上手すぎて...突っ込み所がないと言うか...可愛げのない人です。
何しろ、彼の率いるトリオはわざわざ「Oscar Peterson Trio」などと言わなくても、「The Trio」で通用してしまうんですから...
完璧なテクニックから生み出される強烈なドライブ感、それを一糸乱れずサポートするレイ・ブラウン、エド・シグペン...完璧です...
でも、完璧な演奏をしているのに全然力が入っていないんですよね...全力を出し切っていないと言うか...必死に演奏しているのが伝わってくるマクリーンやコルトレーンなどと比較すると、余裕でこなしている感があって、可愛くないです。
しかし、この人は何枚アルバムを出しているのでしょうか...?リーダ作だけで200枚位あるんじゃないですかねぇ。サイドメンとして参加したやつも含めると3〜400枚位あるかもしれません...それなのに、しょ〜もない演奏を聴いたことがないです(当然、全部聴いてはいませんけど)。これぞ真のプロ!!
このアルバムは、名盤が目白押しのピーターソンの作品の中でも比較的地味な存在ですが、中身はしっかりしております。
ピーターソンと言えば『We Get Requests』が有名です。確かに素晴らしい出来のアルバムで音も凄く良いのですが、ちょっとノリが軽いですかね...
個人的には、少し骨のあるこちらのアルバムの方が好みです。
細かい内容については触れません...完璧なので...
一言付け加えるとすれば、エド・シグペンのブラッシュ・ワークの心地よさが印象に残るアルバムです(「Liza」、「Maidens of Cadiz」)。
あまり目立ちませんが、押さえておきたい1枚です。

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