ブルーベックのアルバムは、これまで敬遠してました。かの有名な『Time Out』やこのアルバムも、以前から持ってはいましたが、何か軽いイメージがあって(実際に軽いのですが)、ハードなやつか、黒〜いやつばかりを聴いている身としては、どうしてもなじめなくって...
週末に、思い切って聴いてみました...「軟弱なジャケットだなぁ〜」と思いながら...意外に、と言うか思ったよりすんなり受け入れることが出来ました...悪くないです。このアルバム。
確かに、彼の演奏にはバド・パウエルのような鋭い切れ味もありませんし、モンクのよなエキセントリックな魅力もありません。ましてや、ジュニア・マンス、ホレス・パーランのような黒さもありません(当たり前ですが)が...
一言で言うと「軽い」のですが、難しいことなど一切考えずに、ひたすらハッピーにスウィングするその潔さが何とも心地よく感じられました...一昔前なら完全に馬鹿にして見向きもしなかったのでしょうが...私も大人になったということか...
このアルバムは、タイトル/ジャケットからもお分かりいただける通り、ディズニー集でございます。57年にこのような企画物を出してしまう所も凄いですね。ハード・バップ全盛のこの時期に...他のジャズ・ミュージシャン達とは明らかに方向性が違います。まぁ、その辺が気合の入ったジャズ・マニアから軽く見られている所以なのでしょうけど...
こういうジャズがあっても良いと思います。ただの企画物というだけではなく、テクニックもしっかりしていますし(本当に上手いです)、ちゃんとジャズとして聴くことができます。
ブルーベック=『Time Out』みたいな図式になっておりますが、私などはこっちの方がアルバムとしての出来は上のような気がします...
ポール・デスモンドの甘ったるいアルトはあまり好きになれませんが、ジョー・モレロは気に入りました。ブラシがいいですね...
ジャズの入門編には打ってつけの1枚と言えるでしょう...
この教訓を生かして、これからは敬遠気味だったミュージシャン達(ラムゼイ・ルイス等)のアルバムも積極的に聴いていこうと思っております。

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