ジミー・スミス、初めてですね...実はブルーノートもオルガンも大好きなのに、あまり好きじゃないんです...ジミー・スミス...
多分、初期のアルバムのバド・パウエルばりの演奏を聴いた時に「そんな弾き方するんだったら、ピアノでやればいいじゃん」と感じたのが原因だと思います...要は聴かず嫌いですね...
そんなジミー・スミスですが、このアルバムはよく聴きます。それまでの、ビ・バップ指向の強いアルバムとは打って変わって、オルガン本来の特性を生かしたソウルフル路線のアルバムとなっているのが最大の要因でしょう...
ジャケットデザインもそれまでのアルバムとは大きく異なってますね。ジミー・スミスのアルバムには大抵、本人の写真が入ってますが、このアルバムはジャガーに美人モデル...しかもカラー刷りです...この頃のブルーノートのジャケットの中でも異彩を放っておりますね...このデザインからも、アルフレッド・ライオンがスミスの売り方を変えようとする意図みたいなものを感じます。
メンバーも、ギター(クェンティン・ウォーレン)、ドラムス(ドナルド・ベイリー)といった典型的なオルガン・トリオのフォーマットですし、やっている曲もスミス自作の「Alfredo」以外は有名な曲ばかりだし、発売当初に相当売れたんじゃないかと思います。
中身もすばらしいです。どの曲聴いても楽しいっす。元々、もの凄いテクニックの持ち主なので安心して聴けるところが良いですね。捨て曲は...ないですね。全曲、上質のオルガン・ジャズを楽しむことができます。
気に入っている曲は、A面3曲目の「Night in Tunisia」。熱い演奏です...ソウル路線への転向を図りながらもついつい出てしまうスミス先生のバッパー魂が聴き所でしょう。面白い1曲だと思います。テーマ部分のドナルド・ベイリーのプレイも聴き逃してはいけません...
ロリンズの「Sonnymoon for Two」も好きです。ブルース好きの私にとっては捨て難い1曲ですね。スミスのブルース・プレイは心地よいですね...さすがだと思います。ギターがもうちょっと上手かったら「turuの選ぶブルーノート名演100選」にエントリーされていたのですが...惜しくも落選です...
ただ、クェンティン・ウォーレンさんは、腕は一流ではないかもしれませんが、嫌いなギタリストではありません。グラント・グリーンとケニー・バレルを足して2で割って、ちょっとグリーン寄りにしたようなスタイルは結構好きです。
上に挙げた以外の曲もすべて安心して聴くことの出来るものばかりなので、このアルバムは、ジミー・スミス、いやオルガン・ジャズの入門編として最適の1枚なのではないか?と思っております。

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