若い頃の私は、「ジャズはストイックでなければならん!」と、ちょっと前にSJ誌で寺島さんに食ってかかっていた偏執狂的ジャズマニア氏のような考えを持っておりました。
どうやら、「ジャズ」という音楽を必要以上に高い所に置いていたようです...今回、取り上げるスリー・サウンズも昔の私にとっては、「ノリだけの軽〜いグループ」という印象のみで片付けておりました...
このブログを始めて、同じ趣味をお持ちの方々ともお知り合いになることができ、皆さんのジャズに対する思い入れたっぷりの記事などを読ませて頂いているうちに、自分の視野が広くなってきたことを実感する今日この頃です...
このアルバムは、デビュー以来、ブルーノートのハウス・ミュージシャン的存在として活動を続けてきたスリー・サウンズが、Verveに1枚入れた後に移籍したマーキュリーから出したライブ盤です。確か彼らの初めてのライブ盤だと思います。
彼らのような音楽性を持ったグループが、それまでライブ盤を出していないのがちょっと不思議ですね...64年の録音になります。
聴き終わっての感想は...楽しい!!の一言に尽きますね〜。こんなご機嫌なライブだったら、多少高くても是非、生で聴きたいっす!
曲順は以下の通りです。
A-1 Mississippi Mud
A-2 Once in a Lifetime
A-3 Hymn to Freedom
A-4 Glory of Love
A-5 Blues for My Baby
B-1 Green's
B-2 Blues
B-3 Willow Weep for Me
B-4 Blues for Big Scotia
実際のライブが、上記セットリスト通りに行われたかどうかわ分かりませんが、もしそうだとしたら、よく考えられた選曲/曲順だと思います。
まず「Mississippi Mud」でブワーッと盛り上げて、観客の気持ちをわし掴みにするあたり、憎いですね〜。「よっ!このライブ上手!!」って感じです。
ブルース中心の選曲も大変よろしいです。彼らの持つ黒〜い感覚を最大限に引き出しつつ、飽きがこないように上手く配置されております。
ブルース以外の曲もいい感じです。オスカー・ピーターソンの「Hymn to Freedom」のイントロ〜テーマの部分とかゾクゾクします。それに「Willow Weep for Me」の何と黒いことか...今まで耳にタコができる位、色んなアルバムでこの曲を聴いてきましたが、これが一番気に入りました。この曲のベスト・トラックに認定です。凄いっす!
しかし、こんなに楽しいアルバム何で今まで聴かなったんだろう...いつ買ったのか忘れる位、前から持っていたのに...
今後は、スリー・サウンズ、ラムゼイ・ルイス等の、今まで馬鹿にして聴こうともしていなかったミュージシャン達の再評価作業を実施することになりそうです。

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