最近、忙しさのせいにして更新をさぼっております。。。
今日のアルバムは、ハロルド・ランドさんのジャズランド盤です。録音データは以下の通り。
Harold Land(ts),Joe Gordon(tp), Wes Montgomery(g), Barry Harris(p),Sam Jones(b),Louis Hayes(ds)
Rec. May. 17-18, 1960.
A-1 Ursula
A-2 Klactoveedsedstene
A-3 Don't Explain
B-1 West Coast Blues
B-2 Terrain
B-3 Compulsion
裏ジャケによると、西海岸と東海岸のミュージシャンの共演物、いわゆる企画物の一枚ですね。。。西海岸を中心に活動していたランドさん、ジョー・ゴードンさん、ウエスさんと、バリバリのイースト・コースターであるバリー・ハリスさん以下のリズムセクションとのぶつかり合い。。。みたいな効果を狙ったものだと思います。
こういった安易な発想(?)による企画物は他にも結構ありますね。ジョン・ルイスさんの『Grand Encounter』(”大いなる邂逅”とでも訳したらいいのでしょうか?大げさなタイトルだと思います...)、アート・ペッパーさんの『Meets the Rhythm Section』などが有名所ですが、チェット・ベイカーさんの『Chet Baker in New York』や、ビル・エヴァンスさんの『Interplay』なども同じような効果を狙ったものと言えるかと思います。
安易な発想(?)により作られた割には、どのアルバムもすばらしい出来に仕上がっておりますね。。。はずれのない企画なのでしょう。。。
本アルバムもなかなかの好盤だと思いますが、上記のアルバム達に比べるとちょっと地味な感じはします。。。
その原因はやっぱりリーダーのランドさんの芸風にあると思われます。。。なんかインパクトに欠けるんですよね...上手いんですけど...きっちりとした手を抜かないプレイ、破綻のないソロ、どれを取ってもプロのミュージシャンとしての十分なテクニックを持った人だとは思いますが、なんか物足りない...アクがないんですね。この人は。
そういえばランドさん、ブラウン〜ローチ・クインテットというジャズ史に残る名コンボに在籍しておりましたが、ランドさんのソロってあまり記憶にありませんよね。。。
なんか、ランドさんをけなしているような内容になってきましたが、決して嫌いなタイプのプレイヤーではありません。。。アクの強〜い強烈な個性を持った人の方が好きなのは確かですが...
曲紹介行きましょう。A面1曲目の「Ursula」はランドさんのオリジナルです。。。あんまり好きじゃないです。甘ったるいテーマが。。。いかにも西海岸って感じの曲です。このアルバムを買った当時、この曲がどうしても馴染めなくて2曲目以降を全く聴かずに放置していた時期がありました(2曲目が凄いのに...)。
「Klactoveedsedstene」...どう読んでいいのか分からんタイトルですが(意味も分かりません)、チャーリー・パーカーさんの曲です。これがいいんですわ!!文句無しのベストトラックです。
全員のソロが全部イケてます。特にゴードンさん、ウエスさん、ハリスさんのソロは絶品でございます。
ジョー・ゴードンには地味〜なトランペッターという印象がありますが、この曲のソロは凄いっす!
シングルノートで構成されるウエスさんのソロも絶品です!個人的にはオクターブ奏法全開のソロより、こういうやつが好きなのです。。。何度聴いても痺れます。
ハリスさんは...こういう曲やらせたら無敵ですよね。素晴らしいの一言に尽きますな。。。
最後のテナー、トランペット、ドラムスによる8小節交換⇒4小節交換⇒2小節交換の部分も鳥肌ものでございます!
長くなってきたのでそろそろやめようと思いますが、タイトル曲の「West Coast Blues」...あんまり好きじゃないです。。。ウエスさんの曲です。本人はこの曲を気に入っているらしく、何かのアルバムで演奏していたような記憶が(どのアルバムか忘れました)...ブルースといいながら3/4拍子なのがどうも...面白い曲だとは思いますけどね。。。
全然触れなかった「Don't Explain」、「Terrain」、「Compulsion」も悪くないですよ。
中でも「Terrain」、「Compulsion」は「Klactoveedsedstene」に次ぐ熱演だと思いますね〜。
ジャケットもリーダーも地味なアルバムですがお勧めです!これは買いです。

2