「『Blue Lights, Vol. 1』(Bluenote:1596)/Kenny Burrell」
愛聴盤(JAZZ)
ケニー・バレルは、私の最も尊敬するギタリストの一人です。タル・ファーロウのような超絶テクニックを次々と繰り出してくるタイプでもないし、どちらかと言うと地味なギタリストです。
リーダ作に駄作が全く見当たらない安定したプレイ、堅実なバッキングも魅力ですが、彼のの持ち味は何と言っても、プレイから滲み出てくるブルースフィーリングにあります。
ブルースじゃない曲を演ってても、ブルースっぽく聞こえてしまうほどですから、あの雰囲気はまさしく彼の中から滲み出てくるものなのでしょう。
とても練習だけで会得できるものではありません...
ブルージーさが持ち味の彼ではありますが、その音には、グラント・グリーン、ビル・ジェニングス等のプレイを聴く時に感じる泥臭さはなく、何ていうか都会的で非常に洗練された印象を受けますので、普通のジャズ好きの方も抵抗なく聴く事ができると思います。とにかく格好良い。自分もああいう風に弾けたら、と思いますが、ちょっと無理...
アルバムの中身ですが、全曲文句の付けようがありません。中でも面白いのは、「Yes Baby」でのデューク・ジョーダンのプレイです。理知的で繊細なプレイスタイルという印象が変わりました。なんだ〜、こういうのも好きなんじゃん...ジョーダンさんも...あれ?この曲って、ボビー・ティモンズだったっけ?もう一度聴き直してみます。私の記事は、ほとんど記憶に頼って書いているため間違ってるかも...
⇒デューク・ジョーダンで合ってました。ちなみに、2曲目の「Scotch Blues」もお勧め。題名通り、スコットランド民謡のようなテーマが面白いです。
ジュニア・クック、ティナ・ブルックスのB級(すいません)テナーによるフロントラインも、このセッションに見事にはまっています。
ルイ・スミスのプレイも、他のメンバーに触発されたのか、自分のリーダ作より豪快さを感じます。
ジャケットデザインは、アンディ・ウォーホル。グリフィンの『The Congregation』と同じですね...
ブルーノートのジャケットの中で異彩を放っています。
いい忘れました。 Vol. 1のことばかり書いてますが、 Vol. 2が悪いと言う事では決してありませんので...こちらもセットでお聴きください。

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