Dear Friend,Gentle Heart
2010/8/9  DVD「明日への遺言」  テレビ/映画

1945年、東條英機元首相らA級戦犯が東京裁判で裁かれる中、
横浜地方裁判所では、戦争犯罪行為の命令者であるB級戦犯、
及び実行者のC級戦犯の裁判が行われていた。東海軍司令官だった
岡田資中将と部下19名は空襲の際、パラシュートで降下した搭乗員を
捕虜として扱わず、正式な手続きを踏まずに処刑したことで
殺人の罪に問われていた。フェザーストン主任弁護士の弁護のもと、
岡田は、すべての責任は自分にある事を主張した…。

太平洋戦争末期、アメリカ軍機の搭乗員を処刑した責任を問われ、
B級戦犯として戦争裁判にかけられた岡田資中将の法廷での戦いを
描いた本作。彼は一貫して「太平洋戦争におけるアメリカ軍による
市街地無差別爆撃は大量殺人である」こと主張する。 
(以上は、goo映画より抜粋しました)


原爆記念日、終戦記念日。

夏になると、毎年かまびすしくなるのが、戦争を忘れるな!
戦争の記憶です。

私は、29年生まれだから、もちろん戦争は知りません。
それでも、子どもの頃は、少年雑誌に戦争マンガが花盛り。

「ゼロ戦レッド隊」「紫電改の鷹」「あかつき戦闘隊」・・・・
大好きだった潔く爽やかな主人公たちも、
最後は、みんな死んで行きました。

いつからなのか、さだかではありませんが、
私は戦争が怖くて、映像や写真を見るのも話を聞くのもいやです。
特に日本の戦争物が嫌です。
日本人として、大人として、見過ごしたり、逃げてはいけない問題、
とは思いつつ、いつも逃げてしまう。

しかし、この映画は観なくてはならないと思っていました。
いや、ずっとずっと観たいと思っていたんです。

「明日への遺言」
http://www.cinemacafe.net/movies/cgi/19623/#

この映画が素晴らしい映画だということも見聞きしていましたし、
そのうえ、岡田中将の長男、陽(あきら)先生は、私の恩師なんです。

モタクサしている間に、
わが師、岡田陽先生は、昨年12月に亡くなってしまいました。

そして、主演の藤田まことも、先日亡くなってしまいました。

ごろ寝、ついに、意を決して、観た。(^^;大げさだ〜(笑)


岡田中将の裁判に臨む意気込み。

「これは、私の戦争。この法戦に勝つために、最後まで戦う。」

岡田中将を弁護する弁護士はアメリカ人なのですが、
その弁護士の正義と公平さに、まず、胸をズコ〜ンと打たれます。
ここから、もう私は涙があふれ、最後まで止まりませんでした。

中将は、処刑の実施に関してはすべて自分の責任と言いつつ、
なお、米軍の無差別爆撃を静かに証言していきます。

「では、原爆も無差別攻撃だというのかっ!?」

恫喝するような米軍人検察官の追及に、

「もっと悪い。」

穏やかに、しかし即座に応える藤田まこと、いや岡田中将。

観ているこちらは、心臓がバクバクしているのに、
藤田まことは、まるで、友人と雑談でもしているかようです。
リラックスし、ときおりじっと言葉を選び、素直に話す岡田中将。

傍聴席には、中将の家族がいつも座り、裁判を見守っています。

ある日、法廷に入ってきた中将は、弁護士に家族を紹介します。

「妻の温子(はるこ)です。」 

先生のお母さんだ。。。。。

「長男の陽です。」

ああ〜、先生だ。。。。。。

お父上の裁判中に、先生たち、結婚したんだ。
先生はずっと、傍聴席で、お父さんの後ろ姿を見ていたんだ。

法廷で、被告人は、家族と話を交わすことはできません。
会話はしませんが、こういうコミュニケーションは許されたのか。

裁判を待つ間の独居房では、経典を読み、座禅を組み、
パニックに陥る若い部下たちを励まし、慰め、教える日々。

裁判が進むにつれ、米軍の無差別攻撃の実態が暴かれていき、
また、米兵処刑に関する罪を、中将がひとりで負おうとしている
ことが、検察官も裁判委員長にも、静かに伝わっていくのです。

中将の高潔な人柄が、敵味方を超え、戦争犯罪の何たるかを、
解き明かしていく。

戦争は、この世の地獄、生きている悪魔。

そんな中で、自分の進む道をはっきりと見極めることは困難です。
神仏に頼り、自分を奮い立たせ、その困難に立ち向かう。
こんな不条理な中でも、恐れるべきは死ではないと、見極めて、
高潔に生きることのできる人もいるのです。
岡田中将の生き方、思想、私の理想とするところであります。
そして、
そういう立派な人が、何人も何万人も死んで行くのが戦争です。

ああ、いやだいやだ、戦争は嫌だ。

そして、飄々として静謐、藤田まこと、真骨頂。
目の前の藤田まことが、岡田資中将と、ひとつになっています。
まさに、代表作と言っていいのではないでしょうか。

♪て〜なもんやてなもんや お山がちょいちょいてなもんや♪

10年続いた国民的大人気番組をあっさりと捨てて周囲を驚かせ、
「必殺」の中村主人役で開眼、人情刑事の当たり役もありました。
そして、
紛い物でない誇り高い軍人いや古武士の風格を醸した藤田まこと。

先週の日本経済新聞、新たに連載の始まった「喜劇人列伝」の
第1回に取り上げられていました。
どんなに忙しい時でも、段取りが悪くても、怒ったことがないそうです。
それを読んで、またあらためて、涙があふれました。

◆藤田まこと「岡田資を精一杯演じました」
『明日への遺言』追善法要の記事 2008-02-26
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/report/2008/02/3425/

◆岡田資
http://imperialarmy.hp.infoseek.co.jp/general/colonel/okada.html




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