横溝正史の小説は怖い。真っ暗な映画館内と巨大なスクリーンはその恐怖を助長させる。金田一耕助の「犯人は・・」と言った瞬間、スクリーンまでも消えて場内真っ暗になった。次の瞬間グロテスクな死体メイクをほどこした人間が何人も場内を走りまわり劇場内は悲鳴につつまれる。「今まできづきあげてきた恐さがこれでパーだね。」と連れと話あった。帰りは飛行機。床が透明に出来てて、宙に浮かんでるみたいだ。少し怖いが海に浮かぶ小島がよくみえた。伊豆にある宿で食事をするが狭くて皆入りきらない為、僕だけすぐ外にある露天風呂につかりながら、箸をのばす。同席してた、無名塾の演出家が「・・○△洞窟ってとこに一回行ってみなよ、太郎ちゃん。もと炭鉱だったらしいんだけど、東京にもこんなとこあるんだぁ、って思うよ。へたな観光スポットより面白いぞ。」と僕に勧めている。なるほど。それは面白そうだなぁ。その瞬間、ハッと気付いたのである。 【この物語はフィクションであり、バス車内でみた夢である。】

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