12月某日、都内某洗車場、朝7時半頃、一本の電話。「お電話ありがとうございます。〇〇代々木店です。」 『△△タクシーだけどさぁ、おたくで洗車してもらった際に洗ってもらった赤いマットがないんだよねぇ。お宅んとこにない?』 「マットですね、少々お待ち下さい(探すが)申し訳ありませんが、黒やグレーはあるんですが、赤というのはないですねぇ。」 『ない訳ねえだろっ!おたくらが入れ忘れたんだろが!22日の夜8時頃だぞっ!』 「(参ったなぁ、俺、朝番だしなぁ)夜のシフトの人に聞いてみないと、分からないです。」 『朝だろうが夜だろうが、そんな事知るかよ。ないってどういう事だよ。じゃあ何か?証拠隠滅の為に捨てちまったんだろ?』 「捨てたりいたしません。忘れモノは保管してあります。」 『でもないんだろ?じゃあ、俺が嘘ついてるっていうのかよ?』 「そうは言ってないでしょ。」 『分かったよ。おたくん所では、預かった物を返さない、盗人を雇ってるんだな?』 「そんな言い方ないでしょっ!」 『もういいよ!お宅なんて言うの?』 「鎌倉と申します」 『フッ。鎌倉か・・行ってみてえな。』 「(何故そこでボケる・・)」 『店長の連絡先教えろよ』 「090・・」 『よし!電話してやる!いや!でも電話代もったいねえな・・、おい!今あんた、俺の事、けちな男だと思ったろ?』 「(だから何故ボケたがる・・)思ってませんよ!」数時間後、店長と、このタクシー運転手の会話が聞こえてきた。「いや、そんな言い方してないじゃないですか!」店長もこのいいがかりにほとほと手をやいてるらしい・・。

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