NHKの某番組をたまたま見てました。トーク番組。ゲストは劇団ひとりさん。彼の人生観や価値観の話が約一時間。なんとなく見てました。
彼はモノ作りで一番苦しいのは0のものを1にする段階が一番苦しいと説く。1のものを100にしていくのは経験を積んでいくと、なんとなくやり方も分かってくる。しかし0から1の生み出し方がいまだ分からず、毎回苦しむと。確かにそうでしょうね。分かる気がする。だから作家さんや、作曲者を、僕は昔から尊敬する。何にもないところから、モノを生み出すなんて…。ここに役者の陥ってしまいがちな落し穴があるようにも感じる。つまり役者は作家さんが0から生み出すセリフをただ待ってるだけになってしまいがちになる。そこなのかなぁ?面白い役者とそうでない役者の差は?
さらに、ひとりさんはこう言います。
「僕が一番嫌いな人間のタイプ言ってやりましょうか?別に人に分かってもらわなくてもいいよ、っていうスタンスでモノを作ってる奴!人前で表現するためにモノ作ってんのに、分かってもらえなくてもいいって何だよ!それ!」と。
確かにそうなんです。僕も同じ考えだなぁ。『役者志望』ということもあり、舞台を時々観に行く訳ですが、観に行ったものの、よく分かんない作品に多々巡り合います。あらすじを聞かれても上手く答えようがない作品。それって罪じゃない!?役者が上手い下手どうのこうのはまだ我慢できますが、あらすじのよく分からない話はとてもじゃないが辛い。時にはまるでその作品を書いた原作者が
(こんな難しい芸術的な作品を書く俺って頭いいだろ!)
って言ってるようにも感じます。ブラボーって分かりやすいでしょ!それって基本的な事だけど、僕にとって大好きな要因の一つ!やっぱり観にきてくれた人達が理解できるよう表現していくのも僕らに課せられた大きな努力の一つだと思うのです。

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