最近、連夜で徹夜の仕事が入ってる為、ブログも世界陸上もおろそかになりがちです。
「あれは…おっちゃんが二十歳の時やったなぁ…」目の前のヒゲを生やしたおっちゃんが静かに語り始める。僕はこのブログでは『彼』と呼ばれている。この『おっちゃん』と自称するヒゲの男に失恋話を聞いてもらっていたのだが、ひょんな事から、このおっちゃんの体つきの原点に話がおよんでしまった。
「あれは初めてのデートやった…。おっちゃん、奥手でなぁ…。好いとった娘と映画行ったんはええんやが、早う着きすぎて…。せや。前の時間帯の上映が終わるまで、ロビーでその娘と待っとったんや。その時何はなしたか、よう覚えとらんが、その娘がふいに「あたしね、がっちりした体の男の人が好きなんよねぇ。お腹でてたり、ガリガリの体つきの男の人ってなんか嫌。」そう言うた次の日からやった。毎日筋トレの日々や。頭ん中は『ロッキー4〜炎の友情〜』のテーマとブルース・リーの『死亡遊戯』のテーマでいっぱいや!『燃えよ!ドラゴン』やないで。『死亡遊戯』いうところがミソや!【♪チャーラーチャラチャララララ…】まあええわ。音楽を文で表現しよとしたおっちゃんがアホやったわ。想いは一つ。好きな女が望む男になる事や。鍛えたわ。頭ん中は『ロッキー4』や。【♪デッ・デッデッデッ・デッデッ…】だからもうええちゅーにっ!文で書いてもわからんちゅうねん!アホかっ!ワシは!そしておっちゃん、手に入れた。誰もが認める筋肉質な体を。
しかしな…しかし…その娘が付き合っとた男は…小太りの男やったわ…。その時、おっちゃん思うた。愛する事がこんなに空しいのなら、こんなに哀しいのなら…もう愛などいらぬわぁ!(雷音)」てな。
長い長い一人セリフのしめくくりを漫画『北斗の拳』のサウザーのセリフでしめるこのおっちゃんを僕はどう見つめたらいいのだろう…。


1