「(僕)ういっす。お待たせです。」
「(川村君)いやぁ、鎌倉さん待ってる間にも何人か若い人が通って行ったんですが、アレですね…。この関西の人って皆、ツッコミ待ちみたいな会話ですね…。」
「(僕)まあな…。普段からボケとツッコミみたいな会話やからね。」
「(川村君)いやぁ、でも僕も子供の頃はこっちの方住んでたんで、あんな風にりゅうちょうに喋ってたはずなんですけどねぇ…。」
「(僕)今の喋り下手の君からは、まぁ想像もつかんわなぁ。」
「(川村君)いや、でも本当だったんですから!中学や高校の時はプロ野球の誘いも来てたし、オレ、結構『人気者』だったんですから!」
「(僕)え!?『人気者』だったの?『人気者』って実在したんだ!?」
「(川村君)ええ。まあ…。はは。」
「(僕)だって『人気者』って、あの…よくチョコレートビスケットとかに名付けられたりするやつでしょ!そいつがいるだけで、周りに仲間が自然と集まるっていう…。」
「(川村君)ええ…まあ…。」
「(僕)いや、オレ…『人気者』って森や、童話の世界だけに生息する、伝説の架空の存在かと思ってましたよ。」
「(川村君)……はは…。」
「(僕)で、君がその『人気者』だったと…いやぁ、それ…。」
「(川村君)本当なんですってば!これでもクラス委員にはいつも選ばれてたんですから!あの『正』の字つけていくやつでも!」
「(僕)ああ!ありましたねぇ!だったらオレも名前でてたぜ!【川崎君。川崎君。川崎君。北岡君。北岡君。川崎君。鎌倉君。近森君。近森君。北岡君。近森君…】みたいな感じで三票だけ…。出来損ないの『正』の字みたいなやつ出来てた…。」
「(川村君)また、中途半端な人気ですねぇ。」
「(僕)でもアレって気になるのな!この中にも少なくとも三人はオレを推してるやついるんだ!?って。」
「(川村君)ほんと…子供の頃は人気者だったのになぁ…。」
「(僕)それ、アレですよ…ほら!よく言うじゃん!子供の頃はこいつは凄いな!神童だ!なんて言われてはいたものの、二十歳過ぎればただの人ってやつ…。」
「(川村君)ひ…ひどい…。」

0