《「太郎ちゃんさ、ブラボーカンパニーの山本泰弘さんて、来年あいてるかな?」
無名塾演出家の林さんが僕にそう尋ねたのは去年の事。
「実は山本さんに『長州異聞』に出演してもらいたいんだけど…。」
は!?いや…空いてるとは思いますけど…はぁ!?》
このブログをご覧の方々はお気づきだろうが、僕は塾の他にブラボーカンパニーというコント集団に属している。塾よりも更に前、学生時代から所属している集団である。この『ブラボー』の座長が、僕に無名塾を受けるようアドバイスしてくれた事はいつかのブログでも書いた。しかしこの『ブラボーカンパニー』、役者である自分達がバイトで稼いだお金で自腹を切って都内近郊の少劇場を転々しながら公演を打ってる小劇団である。もちろんギャラなんかない。塾と比べると悲しいが、正直、劇場の規模もお客さんの動員数も次元が違う。座長は業界で一目置かれてる実力者だが、役者は僕も含めてまだまだ食っていけてない、からきし未熟な集団なのである。
(僕と山本さんが一緒に無名塾の旅を廻る…!?)
信じられないが、林さんは至って真面目な出演依頼だと言う。半信半疑のまま、ブラボーの山本さんにこの話を伝える。
(俺とカマが一緒に無名塾の旅を廻る…!?)
信じられないけど、林さんは至って真面目な出演依頼なんですって!山本さん!半信半疑のまま、数日間悩んだ山本さん、この話を了承。
ここにささやかではあるが、無名塾とブラボーカンパニーのコラボが実現するのである。塾に入って12年。まさかブラボーの役者と一緒に無名塾の旅公演を廻るとは…。
今日は『長州異聞』稽古初日。山本さんを連れて二人、自転車で登塾。塾稽古場で机並べて隣に山本さんで台本読み合わせ…。
なんか変…なんか変よ!この感覚!なんでこの空間に俺以外のブラボーの役者さんが混ざってるの!そういう意味でも珍道中な夏になりそなそんな五月の東京です。


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