さて帰り道はどう帰ろう。来た道をそのまま戻るのもつまらないので、展望を十二分に楽しんだ僕は山道の所々に立てられている周辺マップから帰り道を編み出す。
オーソドックスではあるが、山道を下りながら西郷さんがこもったとされる洞窟を見て、さらに坂道を下り西郷さんが自決した場所(去年、ドン・キホーテの時も行ってみましたが)で手を合わせてホテルに帰ることに決める。
圧倒的な敵軍に囲まれた西郷さんが親友である、別府晋介(べっぷしんすけ)に
『晋どん、もうここらでよか。』
と言って自分の首をはねさせた場所である。なんとしてもたどり着き、手を合わせたい!
展望台で少し体力は回復したものの、下りは下りでキツイ!一説には下りは上りの何倍もの負担が膝にくるそうだ。
暑い…しんどい…苦しい…ど、どこや?洞窟は?西郷さん最後の地はまだ遠いのか…。すでにジャージも下着もグッショリ。一刻も早くホテルに帰ってシャワー浴びたし!
ゴールが未だ見えてこぬ真夏のランニングに心の中の『弱い僕』がささやきかける。
《たろどん、もうここらでよか。》
そうね…。雲がとても綺麗だわ。


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