さてつかの間の東京。暑いね。新潟から東京駅。でもこっからが本当に疲れるのよね。
「♪銀座へ〜地下鉄が走〜る〜♪」
東京駅に帰ってくると決まって、井上陽水さんを口ずさむ。
「(川村君)なんで大御所の歌なんですか。」
「いや…さ…東京だし、駅の地下だしさぁ。…♪東京フリーウェイ〜♪」
「(川村君)いや、ここ駅ですよ。高速じゃないですから。」
「別にいいじゃない。大御所つながりでさ。それに東京って事で。」
いちいちツッコンでくる奴だ。
「(川村君)ところで鎌倉さん、どうやって帰ります?」
彼と僕は同じ私鉄沿線。小田急線である。
「え?どうやってって言っても…小田急線ですがな。」
「(川村君)僕は…ロマンスカーで…!」
「!!!」
小田急線ロマンスカー。東京の新宿と神奈川の小田原・箱根を結ぶ小田急線は『各駅停車』『準急行』『急行』『快速急行』から成るが、その上に最高ランクとして君臨するのが『特急ロマンスカー』である。勿論特急料金。僕は10代の頃から小田急線を利用しているが未だかつて乗った事はない。とは言え新宿から1時間程かかる川村君とは違い、僕は30分程度の距離だし、更には最寄りは各駅停車駅なので、ロマンスしたいがしようものならロマンスは通り過ぎて行く。
「じゃあ…ロマンスの神様に…なる訳…ですか。」
「(川村君)まあ…言ったら…そういう事に…なりますね…。」
「幸せの瞬間、きっと誰かを感じてる訳ですか。」
「(川村君)そういう事ですね。♪絶好〜調!真冬の恋〜♪」
微妙に曲、間違うてる。しかもまだ残暑厳しいし…。

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