旭川である。今日は移動するだけ。本番はない。そして明日は休演日。つまり二日連休である。とても珍しいスケジュールだ。
旭川は北海道で三番目に大きい街だと聞いた事がある。一番は札幌、二番がえーと…あれ?旭川が二番だっけ?まぁ、いい!とにかく大きな街であり、全国的にも有名な『旭山動物園』がある。旭川なのに旭山…誰もがそう思うところだが、旭川駅改札近くには、この旭山動物園のPRであろう。斜めの床板のディスプレイにペンギンやらシロクマやらの小さなぬいぐるみが飾ってある。そのぬいぐるみの愛らしさに塾生、渡部晶子、シロクマに手を伸ばすが、先程書いた通り、床板が斜めである。伸ばした手の勢いでシロクマは転倒。したがって旭川駅改札には倒れたシロクマが展示されてる事になる。
出無精の僕だが、今回のメンバーの何人かが旭山動物園に行くというので、それにのっかる。
駅からバスで40分くらいかかったろうか。旭山動物園はなるほど、有名な訳だ。まず、大きい!ディズニーランドみたいね、と誰かが言ってるのが聞こえたが、確かに動物園のディズニーランドという感じがしなくもない。
動物園は久しぶりだ。10年…いや、それ以上ぶりである。客さんも今日はすいてる方ではあろうが、それでもシロクマ館等は30分待ちである。ディスプレイも水族館のように水中トンネルがあり、頭上をペンギンが泳いでる。イメージ以上のアザラシの大きさにびっくりもする。小さな動物はよく動いているが、『猛獣』と呼ばれる動物は決まって怠け者である。ライオン、虎、ヒョウ、熊、オオカミ…皆だらだらお昼寝。しかし毎日毎日こうして沢山の人に見られるというのもさぞかしストレスだろうなぁ。動物は虫から人に至るまでみな隠れたがるものだ。だから巣や家を持つのであろう。スケスケのスケルトンな家を持つ人間なんていやしない。隠れるというのはある意味、一番原始的なリラックスであろうが、動物園は動物を見せる所だから、あまり隠れられても困る訳だ。もう、ライオンや虎に至っては王者らしく割り切って寝そべっている。
旭山動物園の人気の創意工夫の一つであろう。動物の説明書きが全て手づくりで書かれてる。その動物の習性や園内での注意事項が、時には地元の子供達が書いたであろう字や絵で説明されている。そしてその説明書きには時々こう書き添えられている。
【皆さん、動物をご覧になって何を感じましたか。可愛い!カッコイイ!デカイ!そう思って頂くだけでもよいのですが、でもこれらの動物達の生活は人間の環境破壊により確実に辛いものになってきてるのも事実です。温暖化によるシロクマの生活圏の減少や、本来アラスカにいるはずのアライグマがペットとして飼う事を放棄した身勝手な人間の為に北海道内に住み着き、他の動物に被害をもたらしてる事等、この動物園を通じてもう一度、動物について考えてみて下さい。】


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