アクトシティ浜松。浜松公演の劇場である。浜松は5日間滞在する大きな街。三月のブラボー公演の稽古の為、僕の旅はこの浜松で終わる。来月からは東京でブラボーの稽古に参加する訳である。
ここ、『アクトシティ浜松』はデカイ!!オペラも出来るように造られたせいか演技スペースとなる舞台以外の舞台裏も半端なく広い!舞台の左右だけでなく奥行きも広く、このステージ内には『ドライビング…』のセット三つくらいは余裕で建つであろうと思われる。無名塾で日本全国の劇場を廻るのだが、僕の記憶の中では塾公演で廻る劇場では1番大きい!舞台に立つ人が小さく見える。向こう側が遠く見える。実際芝居として使うのに必要なスペースはグレーのカーペットを敷いている部分のみである。どんだけ広いのよ…。
「うわぁ、これだけ広いと舞台の反対側まで行くのに走っても5分以上かかるね。」
ボケるが誰も乗らない。どうやら僕は滑ったようだ。
「(舞台監督)鎌倉さん、確か…浜松で旅は終わりなんですよね?」
「(僕)ええ。自分達の劇団の稽古がありますんで、僕は浜松で…」
「(舞台監督)そうですか。今まで有難うございました。」
「(僕)いえいえ、こちらこそ。お世話になりました。」
「(舞台監督)では、鎌倉さんには有終の美を飾って頂くという事で…」
「(僕)?で…?」
〜
浜松公演開演5分前。
《皆様ぁ、おまたすぇいたしましたぁ。劇団民藝プラス無名塾公演『ジュライブィング・ミス…》
「(川村君)いやぁ!鎌倉さん、面白かったですよぉ!アナウンス」
「(僕)俺いなくなった後、アナウンスは川村さんらしいよ。」
「(川村君)え…………?」


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