「いやぁ…ね…へへへ…おたく、強いからダメだよって出入り禁止になっちゃってね…将棋クラブ…。プロの二段までいったんだよね、俺…。で、弟子もアマチュアの大会で優勝してね…」
近所の地域センターの受け付け窓口では一人のじいさんが職員に自慢している。
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役者をやっていると当然、様々な職業を演じなければならない。台詞を覚えるだけではなくその職業の所作や、動きも含めて『演技』になる訳だからこれが難しい、というか案外知らない事だらけ。
(この職業の人って何を使ってどういう仕事を普段してるんだろうか?)
役者を目指すというのは資格もいらなければ学歴もいらない。だから馬鹿(?)でも目指せるのだが、どっこい!いろんなあらゆる事を知らないといけないからさあ!大変!
例えば前に書いたとは思うが『ドン・キホーテ』で僕は床屋を演じた。カミソリでヒゲを剃るシーンがあるのだが床屋で使うようなカミソリでヒゲを剃った事はないし、そんな技術もない。だから僕は近くの床屋に飛び入りでカミソリの扱い方を習ったりする訳である。つまり『訪ねて尋ねる』のである。
そんなこんなで今日はある二つの職業の職場を訪ねてみたものの二つ共、お客さん相手の商売だけに教えてもらえず。残念。まあ、そりゃそうか。怪しまれたろうなぁ。つかぬ事をお伺い致しました!!


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