「是非、直してもらいたいんです。」
知り合いからのメール。どうやら直してもらいたいのは七年前の僕が暇を見つけて造った段ボール犬。
六年前の公演『カジノキング』の際、ロビーに展示した後、知り合いでブラボーファンのとある方に引き取られた訳である。どうやらその後は六年間そちらの御家族に可愛がられ、幸せだったらしいのだがどうやらとある事からとうとう背中が潰れてしまったらしい。
「明日から能登に行くのでいつ直せるかはわかりませんが、直してみましょう。」
「本当、忙しい中、ごめんなさいね。鎌倉さんにしか直せないと思って…。」
「僕が造ったからには僕にしか直せないでしょう。大丈夫ですよ。形あるものいつかは壊れるものです。」
逆に六年もよく可愛がってもらえたもんだ。お前、あちらの家族にもしっかり愛されてたのね!ちょっと明日から二ヶ月以上出かけてくるけど、とりあえず留守番頼むわ!大丈夫!ちょっと手術するけど必ず元の体に戻してやるからな。


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