『ワシが雀にひるみ、ライオンがウサギにおびえる程度には。』
マクベスを読んだ方なら分かるかもしれないが、僕が演じる『負傷した将校』のセリフの一つである。
この負傷した将校は芝居が始まって間もなく命からがら戦場を離れ城に帰還し、王様であるダンカン王に戦場でのマクベスの鬼のような戦いぶりを報告する。戦い疲れたマクベスの軍を目掛けてノルウェー軍が攻撃をしかける。絶体絶命のマクベスの様子に対し、ダンカン王は
『(ノルウェー軍の猛攻激に対し)それにはさすがにひるんだであろう?マクベスも。』
と問い掛ける。その王の問い掛けに対しユーモアを交えて将校が答えたのが、最初に書いた、
『ワシが雀にひるみ、ライオンがウサギにおびえる程度には。』
である。つまりマクベスがひるんだとしてもその程度しかひるまなかった、というこの将校なりの冗談。しかし今日、このセリフを言いながらなんか違和感…。
あれ…もしかして俺…
『ワシに雀がひるみ、ライオンが…』と言わなかったかな?ワシに雀がひるむのは普通じゃん!?て言うかマクベス、めちゃめちゃ敵にひるんだ事になるっ!!
思わず劇中、楽屋でそのダンカン王を演じてた野崎海太郎さんに
「僕…もしかして…今日セリフ間違えました?」
「(海太郎さん)いや…気付かなかったけど…。」
あれ?大丈夫だったのかな?はっきりした記憶はないけど…。でも今日、テレビカメラ入ってたからなぁ…。もし放送される時には明らかになる!!
今日の客さん、もしかしたら…ごめんなさい!

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