「これはなんですか?」
「大根ですよ。」
見ると手の平サイズの小さな大根。馬の餌になる大根らしい。見た目には白い人参にも見える。
こいつを馬達はポキッガシユッガシユッ…と音をたてて食べる。その歯ごたえのよい音に肉な好きな僕も大根がおいしそうに見える。〜
「まぁったく…周り(の人間は)は大根達ばかりで困ったもんですわぁ…」
最近、悪童ぶりに歯止めの効かぬ川村君がそう悪態をつく。
「ほんと!ほんと!大根ばかりで困りますよね。」
彼に愛想を合わせてみる。
「いや…周りは大根ですけど、鎌倉さんは……菜っぱです。」
こ…この野郎…合わせておけば…
俺は大根にもなれず…その葉っぱにすぎぬと言うのか…。漬物にしてご飯と一緒に食べるとおいしいっていうアレか!?お茶漬けにすぎぬというのか。
「(川村君)ま…そうですな。」


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