某月某日。川村君と話してる。
「【川村君】鎌倉さん、そろそろですね。」
「【僕】そろそろだね。」
「【川村君】てか、ギリ…ですよね。」
「【僕】ギリ…だね。」
「【川村君】鎌倉さん、いくつでしたっけ?」
「【僕】37…」
「【川村君】じゃあそろそろじゃないっすか。」
「【僕】レジェンドになるならこれ以上長生きしてはいけない年齢ですわな。」
「【川村君】レジェンドになるにはちょうどいい年齢ですよ。」
「【僕】だな!古今東西、歴史を紐解いてみても、レジェンドになるヒーローはあふれんばかりの才能を持ちながら若くして非業の死を遂げる。ジェームスディーン然り、マリリンモンロー然り、ブルースリー、夏目雅子、坂本龍馬、沖田総司、土方歳三、モーツァルト、松田優作…」
「【川村君】みな二十代、三十代ですもんね。」
「【僕】そう!まあ、よしんば若くしてこの世を去ってなかったとしてもだ…」
「【川村君】でも『よしんば』って変な言葉ですよね。」
「【僕】いや、仮にそうだとしても今、僕が英雄論語ってるところだから話の腰を折らないでくれ。」
「【川村君】すいません。」
「【僕】よしんば若くはなくとも幸せな最後はご法度ですわな。織田信長しかり、真田幸村しかり、マイケルジャクソンしかり、テレサテン…」
「【川村君】最後の方、若干…ヒーローというより鎌倉さんの個人的な趣味のよう気もしますね。」
「【僕】ていうか、レジェンドまでもう三年きってんじゃん!そろそろお別れしなきゃいけない歳だよ!これ!」
「【川村君】でも鎌倉さん…………」
「【僕】何?」
「【川村君】鎌倉さん………伝説になるような事、何一つ残せてないっすよ…」
「【僕】…………」
「【川村君】今、この世からおさらばしても、ただのダメ人間…」
「【僕】もうちょっとだけ長生きする事にしました!たった今そうしました!」

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