5ステージ終了。評判は上々のようである。
やはり初日は緊張し過ぎでしたね。やっと今は『緊張』になった感じ。どうやら初日は会場も暑すぎたらしい。恐ろしい程の汗。汗。汗。ほんと…目も開けつらかったくらい!衣装も汗でパシャパシャいってます!
ちなみに今回、僕の役は………
80歳のおばあちゃんであります。髪を白髪に、メイクでシワを、背中を丸め、動きをスローに…。
今回この芝居の演出をとるのは僕の4期下の無名塾生、樋口泰子である。この役の話が彼女からきた時、実は僕は断った。あまりにも自信がなかったからである。台本を何度か読み返す。どうしても、面白く演じられてる自分が想像出来ない…。
〜今年1月下旬某日〜
「(僕)やっぱり僕にあの役は無理じゃないかなぁ。5〜10分のコントなら、まだ男である僕がおばあちゃんを演じても持つかもしれないが、コントではなくお芝居で、しかも2時間近くがっつり『おばあちゃん』は到底持たせられないよ。」
「(樋口)でも私は鎌倉さんでなきゃこの役は考えられません。」
「(僕)僕がブラボーカンパニーでコントやってるからといって…少し買いかぶり過ぎじゃないかな?」
「(樋口)それはどういう意味で?」
「ブラボーは福田雄一という僕からすれば天才的な演出家がいて、その人が僕を上手く導いてくれてるから、僕が面白く見えるだけで福田雄一に演出されない僕は決して『面白い役者』ではないよ………。」
「(樋口)おや?随分自信のない事をおっしゃるんですね。大丈夫ですよ。なぜなら私がブラボーで見た鎌倉さんは面白かったからです。福田さんがいようがいまいが鎌倉さんは鎌倉さんです。塾の芝居にとらわれず自由に演じて欲しいんです。」
「…………」
「(樋口)どうでしょう?」
「……………」
「(樋口)絶対大丈夫です。」
「(僕)…………こんな事を言うと他力本願みたいでいけないかもしれないけど、僕を上手く演出し、導いてくれますか?」
「(樋口)分かりました。」
「(僕)………………微力ながらお力になりましょう。自分が所属する組織の公演です。引き受けるからには僕に出来る事はやってみましょう。」
「(樋口)有難うございます。一緒に頑張りましょう!」
〜5月現在〜
「(樋口)やっぱり鎌倉さんをあの役に抜擢して正解でした。私の目に狂いはなかったです。」
今だ自分で自分のやってる演技に自信は持てないが、若い演出家から頂いたその言葉は大切に受け止めよう。

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