作る。造る。僕らはひたすら創っていく!
時には朝8時から夜中1時半くらいまでひたすら段ボールにハサミを入れていく。17時間。僕らは何千回、ガムテープをちぎり、何万回ハサミを動かしたのか。ガムテープをちぎり過ぎて指先が痛い。
今回は本当に要求される難度が高い。
@圧倒的な発注量
Aテレビ画面にも対応できる(?)高いクオリティ
B外のぬかるみや、悪天候、悪路にも対応できる耐久性
段ボールの限界に挑戦する、いや、ある意味、段ボールの限界を超える発注である。
「(監督)これとこれとあれとそれとあれも作って!」
段ボールは全て手づくりなのよ!沢山はそう簡単に作れないの!一体作るにも気の遠くなるような手間隙かかるの!
「(監督)段ボールと分からないくらいの出来上がりにしてくれ!」
だったら段ボールで作らなくていいじゃなーい!プロの美術さんにお願いしようよ!僕らが知らない材料やノウハウ持ってんだからさ!
「(助監督)雨が降った時の、外のロケを考えて防水対策もお願いします!」
やっぱり段ボールで作らなくていいじゃなーい!紙ですよ!紙!どんなに頑張っても段ボールは段ボール!紙なんです!
これらの要求を満たすべく僕らは技術を結集させて行く。弁当を食べながらアイデアを出しあい、うなりながら知恵を絞りだしていく。
前にも書いたがこの高難度の要求を満たす為、飛躍的に向上した技術を手に入れたメンバーは頼もしくも見える。
もう20年も段ボール細工を見て来ている僕も惚れ惚れと、うなってしまう出来上がりの作品ばかりである。これまでは個人的に上手い上手くないの差があったため作業を分担しづらかったのだが今は誰にどの仕事をふってもクオリティ高く仕上げてくれる。
《今の我らに駄作なし》
国民的人気パロディ(?)を前に僕らは一歩たりとも退かぬ。
「先生。いよいよですね。」
あぁ…保坂君かい?そうだね。いよいよだ。ブラボーカンパニーの段ボール技術は今、最高潮を迎えている。…
「しかし、監督も無茶ぶりをするものです。段ボールの限界を超えた…」
保坂君、めったな事を申すな。監督は『頭脳』我らはその手足に過ぎぬ。私は『頭脳』になる器ではない。あくまで右腕でありたい。そしてその時、左腕は、そう。君……
先生!?どうされました?顔色が少しすぐれぬようですが…」
いや、大丈夫だ。最近少し発注が続いたせいかな、少し…
《ゲフッ》
「先生!?先生ーっ!!だ、誰か!」


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