今日は雨。いつもの如く気分はめいるね。水不足にでもならぬ限り、やはり僕はこの『雨』に有り難みは感じられぬ。気分へこむのよねぇ…。
無名塾から衣装を持ち帰る。両手には『友達』で使った衣装の足袋や腰ひもなどの入った紙袋を持って。
雨という事でバスに乗り込む。先頭で待ってただけあって席はたやすく確保出来た。しかしこの雨のせいか思いの外、バスに乗り込んでくる乗客は多い。あっという間に車内は乗客でいっぱいになる。僕の目の前には白髪のおじいちゃん。
「あの…よかったら席、どうぞ…。」
別に紳士ぶる訳じゃないが目の前に年配の方が立っておられる訳だ。のうのうと座ってもいられない。とりあえず席は譲る。
「(ご老人)いえ、結構ですから…」
「(僕)いや…でも…どうぞ。」
「(ご老人)いや…大丈夫ですから…」
以前にもブログに書いたかもしれないが、こんな時の厚意は是非にも受け取って欲しいものである。どうぞ、と言って譲った以上、断られたからと言って、ああ…そうですか、とまた座る訳にはこちとらいかないのである。譲った以上、大衆の面前でかっこつけさせてくれよ…と思うのである。
確かに譲られた席に座るという事は自分を『弱者』と認めてしまう事のようで嫌かもしれない。でも僕も頑張ってあなたに気を配ったんだから、あなたも僕に最低限の気配りはして欲しい…なんて思うのである。
譲ったものの受け取ってもらえずぽかんと席が一つ空いたまま。僕がそのご老人に譲ったものだから周りの方もその席には座れない。満員の車内。座るに座れぬバリアがその空席を包んでいる…。

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