この土日、原宿明治神宮近くの何ヵ所かで『スーパーよさこい祭り』というイベントがあった。全国から踊り子達が集まりよさこい踊りを踊る。我が故郷、高知から生まれたこの祭り、今や全国にまで広がり、ちょいと僕には自慢なのである。今回のそのお祭りに踊り子として参加している、姪っ子が上京しているので、会いにいきがてら彼女の踊りを拝見!久しぶりに会う姪っ子に顔も自然ほころぶ。
土曜日のその日は3ステージ。踊り自体は5分10分で終わるのだが、つぎのステージまでの待ち時間が長い。次のステージまでまだあと1時間半ある。
「ねぇねぇ!この辺り、分かる?」
と姪が聞く。
「そうやねぇ。近くに竹下通りってとこがあってそこが若い女の子達には人気だよ。」
「そこ行きたい!行きたーい!」
姪っ子のお友達も含めて3人の少女はキャッキャッとはしゃぐ!お友達の親御さんも含めて7人で竹下通りを歩く事に。しかし…竹下通りなんて何十年振りに歩くかな。いや、7年くらい前に芝居の衣装探しに来た以来だな。
姪を連れて竹下通り。当たり前だが人が若い!若い!それに圧倒的に女の子が多いんやね。男の子はいないんだね。男でいるとしたら、僕のような女の子の保護者とか、お父さんしかいないんじゃないだろうか!
僕らが中高生の頃、沢山あったタレントショップはやっぱりないね!一軒もないや!
タレントショップはないがキャラクターショップは多いね。タレントは年をとるがキャラクターは年をとらない。永遠のアイドルな訳か。
小学生の姪っ子達は竹下通りのいろんな店に興味津々!しかしっ!
ここで目に見えぬ微妙な親同士の駆け引きが始まる。3人の少女達は当然、お店に入る度に欲しい物を見つけてしまう!だが、そこで誰か1人でも親御さんが自分の娘に何か買ってやると、
『誰々ちゃんはお母さんにあれを買ってもらったんだよ!うちも買ってよー!』
とこうなる訳だ。そうならない為に目に見えぬ(いやある意味めっちゃ見えてるかもしれない)『買いませんパワーバランス』をお互いに保ち始める親御さん達。少女達は高知の田舎から出てきて原宿竹下通りを歩いてるというのに何も買ってもらえない、という生き地獄の犠牲者となる!
「ねぇ、あんた達!これになさいな!」
親達は少女達に1つの妥協策を与える。
190円の小さな『ほっぺちゃんストラップ』を握りしめて再び、夏の終わりの明治神宮のステージに向かう小さな3人の少女達は僕にはなんだかとても健気で眩しく見えた。


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