シェイクスピアの作品というのは結構登場人物が多い。メインどころのキャラクターからちょい役までいれると総勢何十人出るんだ?ってくらいである。
それゆえ僕らは1人が何役か演じる事になる。もちろん1役だけの人もいるが、ほとんどの役者は何役かのかけもち。かく言う僕も4役演じている。
つまり…
ベンヴォーリオ→キャピュレット家の召し使い→薬屋→警察官
とこんな具合だ。4つが4つとも別人格なのであるが、何故か昔から川村さんはこの別人格を『実は1人の同じ人間だったら…』という説を提唱する。つまり川村氏によれば
『ベンヴォーリオは敵のキャピュレット家の召し使いになり、その後薬屋を営むようになり、薬屋では食って行けず、最終的には警察官になった』
という見解を川村氏は発表している。
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「(川村さん)…という見解でいけば、僕は『バルサザー』と『ピーター』は双子の兄弟だと思うんですよね。」
バルサザーとはモンタギュー家の召し使い、一方、ピーターというのはキャピュレット家の召し使いである。その二人を演じるのは塾に入って三年目の吉田道広(よしだみちひろ)君。
「(僕)なるほど。二人とも顔も背丈も一緒ですからね!」
「(川村さん)でしょ。」
「(僕)つまり…幼い頃、なんらかの事情により兄弟が敵同士に引き裂かれたっていう事か…これ、悲しいね。ドラマだね。」
「(川村さん)で、お互いに敵の家に潜りこんでるという訳ですよ。」
「(僕)え!?スパイなの?スパイ活動までしてんの!?確かに一卵性双生児と考えたらどっちがどっちか分かんないもんね…」
「(進藤さん)おいこら、そこ二人、何、下らん妄想してんだ。」
「(川村さん)なんかそんなドラマありましたよね、潜入捜査官の…インフェ…なんでしたっけ?なんか、そんなのありましたよね?」
「(進藤さん)知らないんなら言うなよ。」
「(僕)あー!あの…あれだよ…『インスパイアー・ザ・ネクスト』な。」
「(進藤さん)おい…それ、日立のキャッチコピーだろ…」
「(僕・川村さん)つっこむねー!」

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