しかし…暑い…。夏だから当たり前ではあるが、暑い。そんな中、僕は小学・中学時代の友達と会う。彼は8年間暮らした関東を離れ、田舎の高知に帰るという。こっちにいるのは今月末まで。その間に1日、どこかをブラブラしないか、という彼の提案により僕と彼は成城で会う。いい年したおじさん二人らしく人混みが多い所を避けようという事で東京郊外を。彼の提案により僕の母校である成城大学内を案内する。僕がこの大学にいた頃、赤ちゃんだったくらいの男の子、女の子達のひしめく中、僕らはオムライスを頂く。
お次はバスに揺られて僕の好きな深大寺へと向かう…が、今日はタイミングが悪かった…。深大寺は近くに神代植物園がある。しかしその植物園が月曜日は休園との事。そのせいかお客さんはぐっと少なく、その為、深大寺の境内を彩るお土産屋、蕎麦屋、茶店が軒並み閉まっている…。これは残念。ゲゲゲの鬼太郎のお家も少し寂しそう。
少ない開いてるお店に入り、深大寺そばを頂くも…う〜ん…この後どうする?
「川岸を歩こう。」
行っちゃいますか!彼の提案により多摩川土手へ。
横浜方面や二子玉川の街並みを遠く河下に見ながら二人でぶらつく。
あれは何かな?彼が指差すその方向には集合住宅地の中に何本かそそりたつ巨大なコンクリートの塔。
行っちゃいますか!
なるほど。これは奇妙だ。これ、なん…
「これは何ですか?」
「給水塔らしいわよ。」
速い!近くを歩いてたオバサンを捕まえて、もう訊ねている。そしてオバサンの答えも速い!即答!
どうやらその塔に雨水を貯めて、非常の時はこの住宅地に供給されるらしい。
再び横浜方面や二子玉川の街並みを遠く河下に見ながら二人でぶらつく。
何か素敵な食事に舌鼓をうつわけでもない。人気のスポットに行くわけでもない。何かドラマチックな事が起こるわけでもない。僕ら二人は時々ベンチに腰を下ろしながら、時々自販機で500ミリペットボトル飲料を買いながらめちゃめちゃ話をする訳でもなくブラブラと。ブラブラと。さっきから遥か遠くの街の風景の大きさはちっとも変わっていない。
駅で握手をしてお別れ。ではいつか。今度は高知で。
数時間後、彼からメールが届く。
今、ネットで『天魔さん』見てます。玄関先でピザ食べてるところを。
はは。有難う!お互い頑張っていきましょう!!


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