えー、狩りバチは、その持っている毒針を獲物の運動神経に刺し、獲物をマヒさせ自分たちの巣へ持っていきます、が、
これは自分が食べる訳ではないのです。そのマヒさせた獲物に卵を産みつけます。つまり、獲物は卵からかえった幼虫のエサなのであります。しかし凄いのが、この幼虫はまず、そのマヒさせられている獲物の脂肪分や体液を吸う。次に筋肉を食べ、最後に内臓や神経系統を食べるという訳ですねぇ。
つまり命にあまり直結しない部分から食べていく事により、マヒさせられている獲物を死なせずに生きたまま食べる事が出来る訳ですねぇ…。先に内臓や心臓を食べちゃったら獲物は死んで腐ってしまいますからねぇ。なるべく死なないように食べていくんですねぇ。怖いですねぇ。
えー、このように芝居も、まず、客さんは芝居の脂肪分から召し、次に芝居の筋肉を召し、最後に芝居の心臓を召しませば最後まで生きたままの新鮮な芝居を召される事が出来まするかと…。そう、じいは考えまするぞ。
【わんぞう】

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